花のある生活

花はあまり出てきませんが。

「不快な感情」から自分を守ろうとする心理

2024-03-01 | フロイト
防衛機制というのは、自身が感じる「不快な感情」「都合の悪い感情」から無意識に気をそらして「自己防衛」しようとする心理。

オーストリアの精神分析学者ジグムント・フロイトによって提唱された概念。
後に娘のアンナ・フロイトによって整理された。


心理学における「防衛機制」には、抑圧・投射・反動形成・合理化・置き換え・補償・退行・昇華があります。

「抑圧」   不安や不満・嫉妬感情・不愉快な体験など「持っていると都合が悪い感情」を無意識の領域に押し込め、意識しないようにすること。 いわゆる「臭いものにフタ」。


「投射」  よくある例は「自分の嫌いな人」が目の前にいても、素直に「アンタが嫌いだ」とは言えないので、自身の「都合の悪い」感情を隠すために「相手から嫌われているから自分も相手が苦手なんだ」ということにして自身の不快感を減らす。 
または、一方的に片思いなだけの相手であっても「自分が好かれていないと思うと傷つく」ので「自分に好意があるはず」と思い込むことで、相手と親しくなれない状況を割り切る。


「反動形成」  「投射」の心理とは逆で、本当は嫌いだけど「あの人いい人ね」とか「仲良くしたいな」などと、あえて「本心とは逆の感情」を意識することで「本心」を隠そうとする心理。 なので「相手に好かれたい」と思って行動しても、そもそもが「自身の抑圧感情」や「心の葛藤」から逃げるのが目的なので、どこか「ピントのズレた行動」になりがち。


「合理化」  自分の欲求が満たされなかったときなどに、プライドが傷つかないように予防線を張ったり、合理的な理由を付けて自分の気持ちに折り合いをつける。 「すっぱいブドウ」「甘いレモンの論理」の話が有名。 他の種類には「認知的不協和」もある。


「置き換え」  「抑圧された感情」を別の対象に置き換えて発散しようとする。 「なぜ『いじめ』がなくならないのか?」を参照。


「退行」  現在の状態(大人)では、自身の問題をうまく解決ができないので、子どもの頃の自我の状態に戻って問題を解決しようとする。 


「補償」  自身が感じる「劣等感」を他の方法で補おうとする。 やり方次第では自身の「優越欲求」を満足させたり「自己肯定感」が得られる原動力にもなりうるが、それらが得られない場合は「いじめの原因」になることも。


「昇華」  自身が抑圧している、一般的には社会的・文化的に認められない欲動を「他者から認められやすい行動」に置き換えることで満足を得ようとする。 「置き換え」の健全版。 「性的欲動」を芸術活動に向けたり「攻撃欲動」をスポーツ活動に向けたりが代表例。 防衛機制の中でフロイトが最も重要視したのが「昇華」。


無意識でも意識的にでも「自我」を守るような言動や行動をするということです。

日々、自分自身の感情に折り合いをつけて生活していくのが一番難しいのかもしれませんね。




苦手な人に対する心理と防衛機制

防衛機制 脳科学辞典




この記事についてブログを書く
« 「あなたと仲良くしたい」の... | トップ | 花も歴史も楽しめる「花の森... »
最新の画像もっと見る