とんかちドリルズ

Lifestyle constructor
家とか、家具とか、趣味とか。楽しく過ごす為の時間を構築したい工務店。

知られざる建材の世界その1 ルーフィング編

2011-04-20 20:44:01 | my work
最近は日常的な内容しか書き込んでいませんでしたが、先日とあるお方に建材を熱く語ったところ「そんなの書いたほうが良いでしょ~」というので知られざる建材の世界としてお送りいたします。
そんな今回は、全く誰もこだわらない、いやこだわるの?そこ?みたいな見向きもされないルーフィングをご紹介します。

知っている方は業界人でしょうが、ルーフィングとは屋根の下葺き材、屋根の見えているのが化粧の屋根材で、その下に引いてあるロール状の防水紙です。紙じゃないから防水シート?ま、ぺらぺらの例のやつです(笑)

アスファルトルーフィングって言うのが流通している下葺き材のトップセラーでございます。



このタイプは熱でクタクタ、寒いとパリパリになるもの。屋根の板に止めるのもホチキスのお化け(タッカ)でトントン止めてもピリッといったりし易い。でも問題なし。
数年建つと、上に張った仕上げ材に解けて引っ付いてしまって金属板だと伸び縮みで切れていたり。まあ、金属屋根だと下に漏ることは早々無いので被害は今のところナシ。1本21m巻きで4000円程度。


それに改良を加えたバージョン。素材自体がしっかりしているのでピリッといったりしにくい。釘穴やタッカ穴の止水性も高い。1本21m巻きで7000円程度。


木造用途には使わないけど、裏に粘着の付いたバージョン。これも暑いとクタクタ、貼るの大変、手がベトベト。

これが通常使われている下葺き材です。知らないでしょ?
指定がなけりゃほぼ4000円程度のルーフィングですよ。どこも。こだわんねーもんココ(笑)

でも、先日取り寄せた代物で、ヤベーのがありました。

あのデュポン社が送り出すルーフライナー



資料と、カットサンプルが来ましてよく読みましたが、質感といい説明といい「これやべーな~」と。
下葺き材を見て初めてニヤニヤしてしまいました(笑)

まるでgentemstickを眺めているようで、greenclothingの生地見本をペラペラ見ているようなあの楽しさがこいつにはあります(きっとオレにだけね)



野地板(屋根の板)面でアスファルトル-フィングに比べ5℃の温度差、優れた透湿性。約5倍の強度。
何より触った質感が「これ張りたいな~」みたいなしっとり感(笑)

「じゃあ、それにすりゃいいじゃん」と思うでしょ?これが微妙に高いんだ(笑)
50m巻きで25000円くらい。ルーフィングに比べ約2.5倍。
屋根坪が25坪なら2本で足りるから5万円にテープをするからプラス1.5万円で6.5万。ルーフィングなら5本で2万(テープしない)。その差4.5万円。

家にして見りゃたかだか4.5万ですが、そここだわる?とみんな思っているからスルーなのです。
別に問題ないから安いほうが良いでしょ~と、思うのが普通なのでしょう。
その差を分かってくれる施主で無いとオレも勧められないですからね~。「その差はありますよ!」と言えるほど体感的変化は薄いですから(笑)

でもでも、見てるあなたが今新築の打ち合わせ中で、プランナーや監督に「うち、ルーフライナーでないと嫌なんで」と言ったらきっと業界人はピクッときますよ…。オレみたいな人だけね(笑)
普通は「そここだわるなら他に回したほうが良いですよ~」と、ね。実際の価格は4.5万ですが、あなたに行くときはマゼマゼされていくらになるのやら…ですから。

さて、次はこのルーフライナーの基材にリアルスコープ!!




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