通訳案内士のブログ

浚渫(しゅんせつ)



赤坂見附駅より昔の「赤プリ」、今の「東京ガーデンテラス紀尾井町」方面へ歩くと弁慶橋の下、弁慶掘(旧江戸城の外堀の一部)に釣りとボート遊びができる施設があります。「弁慶フィッシングクラブ」という戦後作られた施設で都心のど真ん中で釣りが楽しめる所として有名みたいです。



濁った茶緑色の堀の水はいつ見てもきれいとは言い難いですが、以前水面を覆っていた水草のようなものはなくなっていることに気づきました。そういえば去年の秋頃だったか、この辺りで艀(はしけ)みたいな作業船がしばらくの間作業していました。その時に除去したのかな?



皇居周りのお堀も、この弁慶堀も河川と繋がっていないのできれいな水は流入せず(昔は玉川上水と接続されていたらしい)、定期的に底のヘドロをすくって掃除しないと水質汚染がどんどん進んでしまうそうです。そしてこのような作業を「浚渫(しゅんせつ)」と呼ぶのだそう。英単語も知りませんが日本語もまだまだ知らない言葉だらけです。



「浚渫」は英語だと"dredge"。どんなスゴイ英単語が出てくるかと思ったら意外にシンプルな単語。dredgeは動詞だと"clear the bed of (a harbor, river, or other area of water) by scooping out mud, weeds, and rubbish with a dredge(泥、水草、ゴミを浚渫機ですくい出すことによって水底をきれいにすること)"で、名詞だと浚渫する作業船のことを指す。



去年の夏頃だったでしょうか。皇居東御苑周りのお堀の水面全体が気色の悪い水草で埋め尽くされて、小さな蠅のような羽虫が大量発生していた時期がありました。環境省のHPによれば不気味な水草は「ヒシ」と呼ばれる水生植物、羽虫は「ジュンサイハムシ」という人には害のないゾウムシの仲間だそうで、このヒシが大好物なんだそう(ツアーに参加していていたフィリピン人のおばちゃんがこの虫に刺された!と大騒ぎになったことがありましたがジュンサイハムシは無実だった!)。



同じく環境省によれば「ヒシは水中の栄養素が豊富にある場合に大量発生し、繁茂することによって水の浄化が進み、水質がよくなります。これらも皇居の自然風景・生物多様性の一部ですので、皆様のご理解・ご協力のほど宜しくお願いいたします」とあるように見た目は悪くても「アオコ」のような水質悪化につながる微細藻類ではなく、堀の水にとっては良いものだったのです。



東御苑周りの内堀の「ヒシ」はいつの間にか見かけなくなったような。ジュンサイハムシに食べつくされたのか?それとも「浚渫」作業で除去されのか?今年に入って"dredge(浚渫機)"が内堀でも作業していたのを見たような気もするので後者のような気がします。でもそうなると環境省が言っていたことは矛盾しますね。お堀の水の浄化より「美観」を取るのか?ここのところは調べても探し当てることができませんでした。





今朝の紀尾井坂通り




この八重桜が終わると東京の桜シーズンも終わりです。本当に寂しい桜の季節でした。




いつもの清水谷公園。例の大久保利通の碑の裏手の丘にわりと成長した霧島ツツジを見つけました。都心で見られるツツジ、サツキは低く刈り込まれたものばかりなのでこのような自然に伸びたツツジの木は珍しく感じます。たくさんのシュロ
の葉で囲まれここ一帯は南国鹿児島のようですね(行ったことはありませんが)。




清水谷公園のイチョウの老木。新芽が芽吹き始めました。



 
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