黄瀬川の 両岸険し 高橋の 白きしぶきは 幽体誘う
(高橋という橋には橋を作った大工が橋の上からのみを落とし、それを取ろうとした大工も橋から落ちると水底に宮殿があり、のみを取って帰るとただ橋の上にのみを持って立っている自分に気づいたという伝説がある。)
用水の 速き流れを 湛えたり 影刺す水面 虫魚集えり
(集まった水中生物や小動物を捕まえようとして、子どもがよく落ちた池でした。)
雪水を 集めた池の メダカたち 群れて泳ぐは スイミーのよう
池の主 留守になりたる 夏の午後 急な夕立 祟りと恐る
(新しい建物に建て替える際、中庭の池をつぶすので中の大きな鯉を捕まえて他に移した日の午後、夕立ちがひどかったのであの鯉は池の主で祟りだったんだよなどという人がいたので)
木漏れ日の 光を浴びる どんどんは 瀬織津姫の おわしますかな
(どんどんとはこの地方で小さな川の段差がある場所の滝を意味します。)