この写真は2018年12月、下関市長府町の功山寺下の壇具川の上流付近と言えば方ぐるしく感じるが、流れから分かるように長府の街をやや詳しく散策すると出会う、そんな得した気にさせてくれる場所だ。
景色からいうと冬紅葉、散ったものは散紅葉(ちりもみぢ)。さて俳人はどんな句を詠んでいるのかな?
夕映に何の水輪や冬紅葉 渡辺水巴
作者は湖水の傍にいて水面を見ている、湖底からの何らかの泡が浮かんだのか或いは小魚が浮遊しているものを餌と突っついたのか、水輪が広がったのでしょう。夕映えの水面と辺りの冬紅葉が見事な景色として浮かびますね。何の水輪と言われますと・・・考えが拡がりますね。
山を出て山に入る川散紅葉 山口昭利
この川は例えば四万十川のような、山間をゆっくりとくねりながら流れる川ではないかと。作者の位置はその流れの上流も下流も見渡せるひらけた川岸でしょうね。流れは上流から散紅葉とともに下流の山間につづいていくのでしょう。時間の流れとも捉えていいでしょう。
素晴らしい景色の見える二句ですね。
すれちがふひとりとなりて散紅葉