一句鑑賞

唐黍

玉蜀黍(たうもろこし)・もろこし・唐黍、秋の季語です。

夏の季語は玉蜀黍の花です、今は早めに栽培されてますね。

歳時記の例句を見てみましょう、秋の頁から。

海峡を焦がしとうもろこしを焼く   三谷 昭

もろこしを焼くひたすらとなりてゐし   中村汀女

唐黍を焼く子の喧嘩きくもいや   杉田久女

ここまでが焼きトウモロコシです・・・

海峡を焦がすほどの、これは煙と匂いでしょうか。それほどの量をやいているのでしょう。

汀女のひたすら焼いている、これは子らに与えるためにではないかと思いますが。食べ物を作る主婦の、何はともあれ食べ物をという気持ちの句ではないでしょうか。

久女の、子の喧嘩の様子を聞くのも嫌だと、早く焼き上げて食べさせないとと、なにか追い立てられていうようにも感じます。

 

唐黍の葉も横雲も吹き流れ   富安風生

唐黍喰む葉音の澄みの木曽仔馬   鶯谷七菜子

唐黍を折り取る音のよく響く   岩田由美

唐黍畑の様が浮かびますね。

風が吹いて、背の高いトウモロコシが葉も大きく揺れている。雲も横に吹き流れている。

唐黍を食んでいる木曽の仔馬・・・澄みの、ここの景色が見えて来ないのですが。唐黍と葉も食べている、その噛み音が心地良さ気に聞こえているのでしょう。仔馬ならではだからなんでしょうか。

折り取る音、音の俳句ですね。ぱきっと折り取ってその重さを手にしたときの心地よさ言っているようですね。

ということで、私の句はできません。

おやすみなさい

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