以前の記事で国が示しているスケジュールが実質的に守られているのか疑問が残る、採用選考の前倒しが生じているのではと疑問を呈しました。
当記事では、なぜ企業が採用選考を前倒ししたがるのかを推測します。加えて学生の側からどう受け止めたらいいかコメントします。
結論から申し上げますと、企業自身が自社の教育・研修機能に不安を感じていることだと推測します。不安を感じているのは、人事なのか、経営者なのか、現場なのかはわかりませんが。
そもそも、自社の教育・研修機能に自信があれば採用選考業務を前倒しにして人材争奪戦を演じる必要は乏しいです。特に知名度のある有名企業であれば多くの学生が応募してくれるでしょうし。採用選考業務を前倒しにすることで人件費もかかりますし。
もとから優秀な学生と早期に接触し、囲い込みたいのは自社の教育・研修機能に不安を感じている、もっというと新規プロジェクトの立ち上げなどを期待しており、それは自社で教育・研修できないと感じているのかなと思います。
学生の側からの受け止め方ですが、
志望企業が採用選考を実質的に前倒しにしている場合、応募する学生の側としては対応するほかありません。
ただ、少し検討していただきたいことが2点あります。
1点目は、
「うちは国のスケジュールを遵守する。採用した学生は入社後責任をもって育成し、新規プロジェクトを立ち上げてくれるまでに育てる」といったことを公言している企業があれば、注目し、調べてみる(裏取りしてみる)ことです。
2点目は、
採用選考の前倒しにつき合わない(情報収集はするが、交通費のかかる活動にはつき合わない)といった割り切りも検討していただきたいということです。
早く内定をもらって安心したいという気持ちはわかりますが、採用選考の前倒しに安易に(当該企業への就職が自分の価値観、ライフプランに合致しているのかなどの検討を経ずに)引きずられないようにしていただきたいということです。
採用選考の前倒しは学生にとって就職活動の長期化という不利益につながりかねないからです。