すまなかった
ナオト
許してくれ
なぜ
俺を撃とうとした
わからない
わからない?
あゝ
俺自身が勝手に・
そうか・・
野生かもしれない
野生?
あゝ
ハミル
銃はどこで手に入れた
ばあちゃんが護身用で持ってたんだ
俺に撃ち方まで教えてくれた
そうか・・・
お前まさか・
違う!
ばあちゃんは自然に・・
老衰か
安らかだった
それで
俺は殺したくなっちまったか
すまない・・
お前は、ばあちゃんとは違う
ん?
臭いが違う
臭いか、俺?
匂いが違う
匂い・・
そうだ
俺の本能が蠢いた
俺たちはこの師走から春までは
冬眠に入る
ずっとずっと
浅い眠りで俺たちは
何も飲まないし食わない
ただエネルギーを消耗しないことだけに努めて冬を乗り越える
おそらく
俺の冬眠メカニズムが働いて
眠りに入る前に外敵を仕留めておこうと
俺の野生が働いた
待て
お前は俺を外敵と判断したってことか
俺じゃない
俺の野生だ
ハミルの野生
だが
俺はばあちゃんに
人間のハートを叩き込まれた
ああ
だから
冬眠の必要もない
なんでだ
冬眠は
食料が不足する冬を乗り越えるための
戦略だ
食料保存を知ってるってことか
そうだ
ばあちゃんが残したクーラーボックスに
氷を敷き詰めれば保存できる
ああ
それに
お前がいるし、、
マック買ってこい!!
脅すな!
だが、
俺の野生の制御も完全ではないから
お前がマックを拒んだら
俺は、おれは、、
キレちまうかもしれない
やめろ!馬花!!
お前小せえな
人間が小さい!
あゝ
熊が小さい!
熊の器が小さい
撃とうか
汚ねえぞ!
馬花熊!!
もう一回
わかった!
わかったよ!!
でも、ハミル
お前野生を制御できるように
人間らしくしていかないと
違う!
馬鹿野郎!!
ナオト
お前が
野生に帰るんだ
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