「あるげつようびのあさのこと」ユリ・シュルヴィッツ著
谷川俊太郎訳(徳間書店 /1994年)
先月、読み聞かせボランティアで私が読んだ絵本です。
ある月曜日の朝。ニューヨークに住む男の子のもとに王様たちが訪れますが、あいにく男の子は留守。じゃあ明日また来よう…と王様たちは帰っていきますが、翌朝も男の子は留守でした。
「おうさまと、じょおうさまと、おうじさまが、ぼくをたずねてきた。でもぼくはるすだった…」
この繰り返しが続きます。
なんの用なのか、なんでアパートに王さまたちがたずねてくるのか、説明はありません。
最後には男の子に会えるのですが、「みんなでちょっとよってみただけさ」と言われるだけ。
淡々としていて、何がおもしろいんだか…という感じがしないでもないですが、シュルヴィッツが描く王さま御一行のようすは壮観です。ラストで男の子が部屋でトランプしている場面が描かれていて、あ、なるほど…と腑に落ちます。
アメリカで1960年代から愛される絵本だそうです。私は「みんなでちょっとよってみただけさ」などと言う、軽やかでゆるい空気感が好きですね。それは谷川俊太郎のセンスかな。(普通に読んで6分くらい)
当時のニューヨークの町並みがリアルに描かれているらしく、谷川俊太郎があとがきに、自分の娘がニューヨークに住んでいるからなじみのある風景です~みたいなことを書いています。