プリジオ王子の誕生のお祝いに、妖精たちは贈り物として「千里ぐつ」や「かくれぼうし」「ねがいぼうし」、空飛ぶじゅうたんや「からにならないさいふ」などを贈ります。ところが利口なお妃さまはそんなもの信じません。機嫌を損ねたある妖精は、王子に「利口すぎる」を与えますが…。
最初の4節まで読み聞かせしたら、あとは息子が自分で一気読みしてました。魔物対決がとくに面白かったみたいで興奮しながら説明してくれました。
私も後から読みましたが、いろんなおとぎ話の要素を上手く使いながら、完全にオリジナルの童話でとても面白かったです。読み手にどれだけ物語読みのスキルがあるかを愉快に試されている感じもして。といっても最初はりこうすぎる王子の性格の悪さもあってちょっと退屈。嫌われた王子がひとりぼっちにされてしまうあたりから、一気に面白くなっていきました。
「りこう」は人に嫌われることもあるという話でもありますね。普通は知恵と勇気で勇敢に立ち回るはずの王子さまが、知恵と秘密道具であれよあれよと上手いこといくので、主人公に感情移入するというより、展開の面白さに惹かれて読み通す感じでした。
それにしても、話を大きく動かす王様のおバカ具合は大変なものでしたし、利口なお妃さまもそこまでいくと逆に愚かというか、頭が良いと却って見えないものがある、「バカとお利口紙一重」的な気づきを促しているのかしらと思います。
「はなのすきなうし」の、ロバート・ローソンの挿し絵がまたいいです。細部まで細かく、ヨーロッパのお話だけどエキゾチックな感じもあり、なんというか、典雅な感じ。
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