![]() | 三びきのこぶた 作:(イギリス昔話) / 絵:山田 三郎 / 訳:瀬田 貞二出版社:福音館書店 ![]() |
<あらすじ・感想>
一番目と二番目のこぶたが容赦なく食べられてしまい、後半は三匹目の豚と狼との知恵比べ。
結局こぶたが勝って、煙突から入ってきたおおかみをお鍋で煮て晩御飯に食べてしまいます。山田三郎さんの味がある絵と細密さがリアルに怖いです。
子供が生まれる前に買ったもので、小さい時から何度も読んでいるので息子はこういうものだと思っていますが、私は三匹のこぶたは、家をわらや木で作るのはダメなんだなあという印象のお話に親しんでいたと思うので、ぶたとおおかみの騙しあいは新鮮だったし、ラストの鍋に狼が落ちて煮え湯に悶絶…という絵が衝撃でした。
<よみきかせ> 10月25日 小学二年生
2年生は初めてで、知っている話だからがっかりされたらどうしようと心配しながら行きました。
が、そんなことはなく全員ががっつりちゃんと聞いてくれて、今までで一番手ごたえを感じました。
「知っている?」ときくと、「アニメでは見たことある」と男の子が。「じゃあ知ってるのとどう違うか見てみてね」と言って始めました。
一匹目のこぶたが食べられる所で、「えっ食べられちゃうの?」の驚愕の空気が広がり。二匹目も同様。
こぶたと狼の知恵比べのところも緊迫感を持って楽しんでいた様子。
最後の、こぶたが狼を食べてしまった、というのを聞いて「逆なのかー」というつぶやきが聞こえ、やっぱりほかの兄弟が食べられっぱなしだったところがショックだった様子です。
この、容赦ない食べあいと知恵比べという話のバージョンはあまり知られていなかったようで、読んで良かったと思えました。
11月1日 小学三年生
三年生相手にこれは幼いかなと悩みましたが、ほかのが練習不足だったのと、2年生で反応が良かったのでこちらではどうかなと。
結果、同じような反応でしたが、三年生のほうが、「ほんとうは食べないのに」という反応が濃かったような。どっちがいいかは、子供が決めることなので「こっちが元々の話だよ」なんて事は言わないし気にしません。
終わってから、「ぶたのほうがあたまいい~」というつぶやきがありました。
二冊目
![]() | ぶたのたね 作・絵:佐々木 マキ出版社:絵本館 ![]() |
<あらすじ>
はしるのがとてもおそくて、うまれてから一度もぶたを食べたことがないオオカミが主人公。
きつねはかせに、「ぶたがなる木のたね」をもらって育てます。さあやっとぶたがなった!と思ったら、ゾウのマラソン大会があって、振動でぶた達が落ちてしまい、そのままゾウについていってしまいました。たった一匹残ったぶたをおおかみは食べようとしますが、思わぬ抵抗に遭い、結局たべられませんでした。
<よみきかせ> 10月25日 小学二年生
理屈でなく、そんな種が?という意外性を楽しんでもらえた様子。
「はしるのがとてもおそいおおかみがいた」のところでもう笑いあり。
その日のうちに芽がでて…とか、ぶたが鈴なりになる絵でもウケていました。
爆笑というほどではなく、なごやかに面白いのですが、最後、前列の女の子が「かわいそう~」と心底気の毒そうに言っていたのが印象的でした。
どちらにしても、おおかみ受難の話でした。
11月1日 小学三年生
こちらは、2年生よりもっと反応が濃かった。すぐに笑いが出たし、「ぶたよりもおそい」でもまた笑い。終始素直な反応で、最後は「面白かった~」という子が何人もいて嬉しかったです。
三年生と言ってもまだまだ可愛い感じです。