第二次世界大戦末期のドイツ(ハンブルグ)が舞台。一人暮らしの中年女性レーナが、若い脱走兵を匿い、戦争が終結してもその事実を教えずに過ごしたというエピソード。そして高齢となったレーナの語りを知人の男性が聞くという形の小説だ。
ということを、『私的読食録』の角田光代の回で知り、カレーソーセージも無性に食べたくなったことから図書館で借りてみた。
一人暮らしの中年女性は、私は勝手に独身を通してきた地味な女性を想像していたのだが、彼女は既婚で16歳と20歳の子供もいた。そして43歳とはいえ金髪が美しい豊満な胸を持つ魅力的な女性だった。彼が脱走兵になったのも計画的ではなく、なかばレーナに誘われる形で彼女のアパートに留まっている。生き残る確率を天秤にかけて考えた上で。
二人の行動はほとんどいきあたりばったりの計画性のないものだったけれど、戦争がどん詰まり感を増していく中、そうなっていくのが自然というか流れというか、人間ってそういうところあるよなというリアルさを感じた。
読めたのは半分くらい、戦争が終わってレーナが彼に嘘をつくところまで。言わなきゃと思いつつ、言えないでいる。彼も妻子がいることを隠して嘘をついているし…といった葛藤が描かれていて面白い。
カレーソーセージのことは、戦時中はカレーなんてなかったので具体的な姿はまだ回想の中には出てきていない(冒頭の現代の話の中には出てくる)。レーナと彼の関係も気になるが、それもどう関係してくるのか気になって読み進めているかんじ。
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本日の夕食 豚肉の生姜焼き、キャベツの千切り蒸し、えのき茸とネギとわかめと油揚げのお味噌汁、冷奴にきゅうりの千切りのせて中華ドレッシングをかけたもの。デザートに梨。
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