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孔子の言葉です。
〇古の愚や直、今の愚や詐のみ。 いにしえのぐやちょく、いまのぐやいつわりのみ。
〇愚というのは、昔も今もよくないものである。しかし、それでもまだ昔の愚というのは、率直で作為がなかった、しかし、現今の愚というのは人をだまそうとするもので何ともひどいものだ。
*愚というのは、智や賢と対照的な語だといえます。いつの時代でも、愚は人の避けたいものにちがいありませんが、智者賢者にはそう簡単になれるものではなく、自分も含め愚者で終わる者の方が多いと思います。しかし、孔子は、昔の愚者のあり方の方が今よりもよかったと嘆いているようです。昔の愚者は嘘偽りがなく、そのまま愚者であった、それにひきかえ今の愚者は人をだまそうとするねじ曲がった要素を持ってしまっていると思ったのでしょう。
*ある学者は、「畢竟(ひっきょう;つまりは)政治教育が十分行われない結果である」と述べていますが、私は政治教育も含めて、人格教育の不十分さがいつの時代でも世をまげていくのではないかと思いま
す。
*付言 「愚直」という言葉があります。これは、本来自分の正直さを謙遜して言う言葉だとされています。人様に対して、〈あなたは愚直の一念で頑張りましたね〉とは一般的には用いません。
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