言葉喫茶【Only Once】

旅の途中で休憩中。

ひと夏の絵画

2020-07-15 20:19:23 | 言葉




人工の額縁の向こう
絶えずうつろい続けている
一幅の夏の絵画


まばたきふたつ前のこと

雲はまだ千切れずに
塊のまま 歩いていた
どこへ どこまで ゆくのだろう
(彼らは自由か、それとも不自由か?)


まばたきひとつ前のこと

誰かが色を足しているのだろうか
青い空は更に青を重ね、重ね、重ね、重ねて
いよいよ黒味を帯びている
(夏色よ はじめまして)


同じ空をどれだけの人が見ている
同じ色で空は頭上にあるのか
同じ時の中に共存している
違う姿をしたいのちの声を聴く


見下ろした地上に描かれた
数多のいのちのきらめきを
額縁の外から 太陽が見ている

まばたきも忘れて―




最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (y0hanesa1b0uhek1)
2020-07-15 20:39:17
素敵です😃
返信する
Unknown (harapekoyuyu0718)
2020-07-15 20:47:40
夜羽さんへ。

こんばんは。いつもお読み下さり、ありがとうございます。

おそらく二年前の空ですが、とても暑い日だった事、
昨日の事のように思い出していました。

瞬間瞬間の光景は、それ自体が言葉の集合体だと思っています。
返信する

コメントを投稿