江戸時代の人気絵師の残した絵画。注文に応じて多くの絵を残している北斎はその中で色んな試みをしているようだ。有名な富嶽三十六景では、富士山を中心に描いているものは少ない。人々の生活の中で、その風景の一部として描かれたもののほうが多い。「ここからも富士は見えているよ」という風景画である。橋の下から見える富士を描いたこの絵では、西洋絵画の技法である遠近法を使っている。しかし、西洋絵画を見慣れた目で見ると違和感だらけの絵である。それは、視点がバラバラになっているからだろう。絵としてのバランスを優先すると、遠近法の消失点通りに描くことができなかったにちがいない。それは、セザンヌである。見所はどこにあるのか見るものに委ねられると感じる絵である。
30秒の心象風景16577・深川万年橋下~富嶽三十六景~
https://youtu.be/ky5eqCPBnoI
30秒の心象風景16577・深川万年橋下~富嶽三十六景~
https://youtu.be/ky5eqCPBnoI