吉備津神社に初詣をということで、正月三日にお参りすることにした。事前にネットで情報を集めていると「矢立神事」が行われるということを知り、内容は分からないが古い神社での神事であり、どのようなことが行われるのか興味が湧いてきた。神社のWebサイトでは次のように紹介されている。「当社の北西8キロメートルの新山に温羅という鬼神が居り、凶暴にして庶民を苦しめていた。吉備津彦命は吉備の中山に陣をとり鬼神と互いに弓矢を射るが両方の矢は空中にて衝突して海に落ちてしまう。そこに矢喰宮あり。また中山主神は鬼神の矢を空中にて奪取す。当社のご本殿の矢取明神はこの神を祀る。この戦の時、吉備津彦命はその矢を岩の上に置 いたのでこの岩を矢置岩を呼ぶ。」とあり。また「中古より箭祭神事あり、願主は桜羽矢または白羽矢を献る。神官その矢を矢置岩に立てて天下泰平を祈祷し、 のち御蔵矢神社に納める例なりき。」昭和35年に岡山弓道連盟のご奉仕により 復活され、四方祓を加味して年頭の正月三日に斎行している。矢立神事は東西南北に神矢を射て鬼神の侵入を防ぐ四方祓神事に、当社に伝わる桃太郎の鬼退治(吉備津彦命の温羅退治)の神話を重ねて由来した神事である。実際に空中に向かって矢を射る様子は鬼気迫る迫力がある。古代の武具であり、武道として引き継がれている弓道の技が、高い精神性を保っていることを感じさせる神事である。
30秒の心象風景10219・矢立の神事 2~吉備津神社~
https://youtu.be/tGzJzszi8K8