映像詩

デジタル映像による心の表現
(映像作品制作を通して感じたこと)

2682-テイカカズラ

2020年06月14日 | 30秒の心象風景
 定家葛とは優雅な名前である。定家とは歌人の定家のことで、葛は蔦状の植物のことだと思う。図鑑で調べてみると、藤原定家が愛する人を忘れられず、テイカカズラに変わってその人の墓に絡みついたというお話にちなむと紹介されている。それは、式子内親王を愛した藤原定家が、死後も彼女を忘れられず、ついに定家葛に生まれ変わって彼女の墓にからみついたという伝説である。能楽の演目「定家」では、『京を訪れた旅の僧が、にわか雨を避けるべく近くの東屋に向かうと、そこへ一人の女が現れ、この地はかつて藤原定家が雨の風情を眺めるために建てた“時雨亭”であると教える。やがて一行を式子内親王の墓に案内した女は、石塔を覆っている葛こそ定家の執心が変じた“定家葛”だと告げる。かつて内親王と定家とは恋仲であったが、世間に浮名が立ったため逢うことが叶わず、そうする内に亡くなった内親王を定家が恋い慕ったために、こうして今なお纏わりついているのだった。女は、自分こそ内親王の霊だと明かすと、束縛の苦しみからの救済を願いつつ、姿を消してしまう。僧が弔っていると、塔の内に憔悴した式子内親王の霊が現れた。僧は法華経の功徳によって葛をほどいてやり、彼女はついに抜け出すことが叶う。感謝の舞を舞う内親王であったが、彼女はあらわになった自らの衰えを恥じると、むしろ人知れず定家と二人で愛欲の苦海に生き続けることを選び、最後には自ら石塔へと戻ってゆくのだった。』というストーリーが演じられるらしい。花は花びらごとにやや角度が付いて回旋して、風車のように見える。

30秒の心象風景16565・風車のような花~テイカカズラ~
https://youtu.be/0NYJuFNu6_M
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