仏塔の屋根を飾る相輪のかたちは厳格に守られている。露盤の上に伏鉢、請花の上に九輪が重なる。しかし、その上の水煙は五重塔や三重塔などの層塔には見られるが、多宝塔にはない。また、その上の龍舎も無く代わりに四葉、六葉、八葉の蓮弁の飾りが付き、最上部は火炎付きの宝珠である。ところが、温泉寺の多宝塔は他に類例が無いかたちの水煙を持ち、龍舎がある、そして最上部は火炎宝珠である。層塔の持つ相輪と同じように見えるが、最上部は層塔では宝珠で火炎は付いていない。温泉寺の多宝塔には層塔の特徴と多宝塔の特徴の両方が見られることになる。また、水煙は通常透かし彫りなのであるが、ここでは炎型の板状のものである。この特徴も他では見ることができない。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/13/2f/51118b9fc3f9cb6e8fd845daedb67a9a.jpg)
30秒の心象風景8879・相輪のかたち~温泉寺多宝塔~
https://youtu.be/KGY9LT5xfqQ
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