あれからしばらく経ち。

ホイちゃんが見えなくなってひとつきほどたった。
いや、冷凍庫には、いるのだが。
両親は彼女のいる冷凍庫を開けては「起きてる～？」とか「寝てんの？」とか声をかけているらしい。
起きたらビックリするが、とりあえず寒がってるから電気ポットの上に乗せてやって、と言ってみた。
気配もするらしい。
母がテーブルに新聞を広げて見ているとホイちゃんもテーブルに来てくつろぐ、というのが毎日のパターンだったらしいが、今でも広げた新聞のそばで気配がするらしい。
この間は電話で話していたら、「わっ！来た！久しぶり、この感覚」と言い出すので何かと思ったら、頭の上に止まりに来たらしい。母は頭の上に止まられるのがキライなのだ。「ホイちゃん降りな！」というと「しょうがない…」という様子で肩に降りたり棚に移動したりという感じ。この時も「降りな！」といったら頭が軽くなったと言っていた。
冷凍庫に親が話しかけてる時だって、きっと肩に乗っていっしょにのぞきこんでいるに違いない。
あれ何？何が入ってるの？何で話しかけてるの？って。
ホイちゃんは死んじゃったけど死んだことに気付いたろうか。
部屋の中からどんどん彼女の居場所を片付けられてしまって、お返事しても気付いてくれないし、寂しがってたそがれちゃってないだろうか。
そんなことを思う。
まったく、お盆に逝くなんて…とよく話す。
一方で涼しくなったら次のコに来てもらおうと思っている。
年寄り２人では不安で。
でもホイちゃんみたいに穏やかで人間に寄り添ってくれる優しいコは２度と会えない気がする。
ホイちゃん…やっとホイちゃんの写真見れるようになったよ。