掲題の『潮風にちぎれて』は、ユーミンの通算8枚目のシングル、松任谷由実としては初のシングル。1977年5月5日に発売。
ユーミンの大ヒット曲は数多いけど、それはポップさが受け入れられている楽曲が多い。
いわばオモテの顔の曲。ウラのユーミンはもっとオトメ。
この『潮風にちぎれて』を要約すると、「泳ぐにはまだはやい」晴れてる春の日のお別れ、そのシチュエーションの女の子の感情を、海と風の中に写す。
曲自体はポップな曲調なんだけど、負けず嫌いを装い、強い意志を決心するオトメゴコロがたっぷり。
『潮風にちぎれて』
泳ぐにはまだはやい よせ来る波 くるぶしまで
あなたの好きな このサンダル
なぜ はいてきたんだろう?
砂浜にうちよせた木ぎれひろい 沖へ投げた
あなたと歩いた年月を けちらしてみたかった
なぜ 泣けないのかな?
ひどく寂しいのに・・・
吹きすさぶ潮風に あなたは息を止めていた
かわいい彼女のこと
これから 自由に愛しなさいよ
国道に止まってる小さな車 指さして
うそでもわたしは 背をむける
恋人が待ってると・・・
今 ふりむいたなら 心くじけるから
吹きすさぶ潮風に わたしはまぶた閉じていた
あなたと来なくたって
わたしはもとから この海が好き
そしてカラオケ仲間のMさんの考察。
【ユーミンの(本当の気持ち隠した)強気な、ほんとに強がりなセリフが、逆に心に響きます。悲しい曲を、悲しいメロディーにのせるのではなく、ミディアムテンポの明るめな軽快なメロディーにのせているところが、さらっとしててユーミンらしいな、とも思いました。
ハルちゃんから、この歌詞を考える機会をもらえなかったら、何も考えずスルーしていたかもしれません。】
そして…。
自分なりにも考察してみた。
【まず『潮風にちぎれて』の「ちぎれて」は、何がちぎれた、のか。
この物語の主人公は、昔の彼とよく遊んだ砂浜に、きょうはひとりで来てみた。季節はまだ夏にはちょっと早い頃。
出掛けるとき、何気なく選んだサンダルは、彼がお気に入りだったもの。波打ち際を歩くまで、それに気が付かなかった。
足元には小さな流木。それを手にしたとき、彼と遊んだ記憶がよみがえり、終わった恋に終止符を打つようにそれを海に投げ返した。
あの時、彼から先に別れを告げられた。
「わかっている。新しい彼女ができたのね。私と違って、ずっとずっとかわいい子なんでしょ。」
「こんな私のことなんか早く忘れていいから、そのかわいい彼女のことを愛し続けるのよ。」
「新しい彼女ができたのはよかったわ。でもね、実を言うと、私にも新しい彼が居るの。ほら、あそこのクルマ。あれに乗っているのが、新しい彼。だからね、きょうはあなたに別れを告げにきたのよ。すごい偶然ね。じゃ、サヨナラ。」
彼から先に別れを告げられたのではなく、自らが別れを告げに来た。
この物語の主人公は、昔の彼とよく遊んだ砂浜に、きょうはひとりで来てみた。季節はまだ夏にはちょっと早い頃。
出掛けるとき、何気なく選んだサンダルは、彼がお気に入りだったもの。波打ち際を歩くまで、それに気が付かなかった。
足元には小さな流木。それを手にしたとき、彼と遊んだ記憶がよみがえり、終わった恋に終止符を打つようにそれを海に投げ返した。
あの時、彼から先に別れを告げられた。
「わかっている。新しい彼女ができたのね。私と違って、ずっとずっとかわいい子なんでしょ。」
「こんな私のことなんか早く忘れていいから、そのかわいい彼女のことを愛し続けるのよ。」
「新しい彼女ができたのはよかったわ。でもね、実を言うと、私にも新しい彼が居るの。ほら、あそこのクルマ。あれに乗っているのが、新しい彼。だからね、きょうはあなたに別れを告げにきたのよ。すごい偶然ね。じゃ、サヨナラ。」
彼から先に別れを告げられたのではなく、自らが別れを告げに来た。
本当はウソ。新しい彼なんていない。知らない人のクルマを指さした、最後のウソ。
声を掛けないで欲しいのは振り向いてしまうから。振り向いたら負けを認めてしまうから。
こうやってこの砂浜に来たのには理由がある。
この砂浜は彼との思い出だけじゃない。だって元々この海が好きだった。そう、彼と出逢う前から好きな海。これはウソではない。
声を掛けないで欲しいのは振り向いてしまうから。振り向いたら負けを認めてしまうから。
こうやってこの砂浜に来たのには理由がある。
この砂浜は彼との思い出だけじゃない。だって元々この海が好きだった。そう、彼と出逢う前から好きな海。これはウソではない。
ちぎれたのは未練。】
ハル★
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます