すでにエレベータ設置という形で決着されました八王子簡易裁判所立替問題ですが、当時、エレベータを設置すべきと八障連と同じ立場で最高裁へ働きをかけていた東京三弁護士会より、同会が最高裁へ要望した際の最高裁からの回答(要約)を情報提供いただいておりましたので資料として以下、掲載いたします。
平成23年2月10日
八王子障害者団体連絡協議会 御中
東京弁護士会担当副会長 下谷 収
第一東京弁護士会担当副会長 西村 泰夫
第二東京弁護士会担当副会長 中野 明安
東京弁護士会、第一東京弁護士会及び第二東京弁護士会(以下三会あわせて「東京三弁護士会」という)が最高裁判所に対し、平成22年11月22日付で提出した別紙「八王子簡易裁判所建替に関する要望書」に対し、東京地方裁判所が最高裁判所及び東京高等裁判所(以下三裁判所あわせて「裁判所」という)と協議した結果として回答してきた内容の概要は、以下の通りです。
1. 裁判所は、八王子簡易裁判所の建替に際しては、東京都の「高齢者・障害者等が利用しやすい建築物の整備に関する条例」(以下「条例」という)を前提に八王子市と協議し、適切に整備したい。
尚、現在のところ、2階建ての建物として建築予定の八王子簡易裁判所にエレベータを設置しなくても条例には直ちに違反しないものと考えており、エレベータを設置する予定はない。
2. 八王子簡易裁判所の2階の各室の利用者については、予め高齢者・障害者の把握が可能であり利用者の特定ができる。また、車椅子の利用者については、必要なすべてを1階で対応可能である。よって、2階の各室は、高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律施行令第18条第1項「不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、障害者等が利用する居室」に該当しない。
3. 建築予定の八王子簡易裁判所の通常法廷は1階にあり、2階にあるラウンドテーブル法廷は、準備手続や和解における利用を主目的としており、1階の法廷の進行状況により、ラウンドテーブル法廷の利用が相当と思われる場合に利用することを考えている。車椅子使用の傍聴人がいる場合には、2階のラウンド法廷は使用しない。従って、傍聴人については、車椅子の使用に関する情報を事前に把握しておく必要はない。
また、実際の運用に際しては、調停事件の受付時に相手方を含む関係者について、身体の状況等を確認する。具体的には、相手方を呼び出す際には、関係者を含めて車椅子等の利用がある場合には申し出ていただくように、その旨を記載した書面を同封する予定である。
なお、調停事件における家族、その他の関係者については、同席する場合は裁判官の許可が必要であるから、許可の申請があった段階で身体の状況等を把握することができる。
ちなみに、建替前の八王子簡易裁判所の実績では、同時刻における調停事件は最大でも3件であった。万が一、1階ラウンドテーブル法廷(調停室)を身障者が使用している期日に、予期しない車椅子利用者の調停事件が入った場合であっても、裁判官室や多目的室として使用する更衣室等1階にある他の部屋で調停を行うことが可能である。よって、職員が車椅子を2階に持ち上げる等しなくても1階で十分に対応できる。
そのほか、当事者の待合室については、一般待合室のほか、予備室等を使用することになっている。
4. 以上のとおりであり、今回の建替に当たってエレベータを設置する予定は現時点ではない。但し、新営後の同簡裁の事件数や来庁される身障者の割合が大きく増加する等によって、エレベータの設置が必要であると判断される状況が生じた場合には、エレベータの設置を含めた対応について、改めて検討する。
以上
平成23年2月10日
八王子障害者団体連絡協議会 御中
東京弁護士会担当副会長 下谷 収
第一東京弁護士会担当副会長 西村 泰夫
第二東京弁護士会担当副会長 中野 明安
東京弁護士会、第一東京弁護士会及び第二東京弁護士会(以下三会あわせて「東京三弁護士会」という)が最高裁判所に対し、平成22年11月22日付で提出した別紙「八王子簡易裁判所建替に関する要望書」に対し、東京地方裁判所が最高裁判所及び東京高等裁判所(以下三裁判所あわせて「裁判所」という)と協議した結果として回答してきた内容の概要は、以下の通りです。
1. 裁判所は、八王子簡易裁判所の建替に際しては、東京都の「高齢者・障害者等が利用しやすい建築物の整備に関する条例」(以下「条例」という)を前提に八王子市と協議し、適切に整備したい。
尚、現在のところ、2階建ての建物として建築予定の八王子簡易裁判所にエレベータを設置しなくても条例には直ちに違反しないものと考えており、エレベータを設置する予定はない。
2. 八王子簡易裁判所の2階の各室の利用者については、予め高齢者・障害者の把握が可能であり利用者の特定ができる。また、車椅子の利用者については、必要なすべてを1階で対応可能である。よって、2階の各室は、高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律施行令第18条第1項「不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、障害者等が利用する居室」に該当しない。
3. 建築予定の八王子簡易裁判所の通常法廷は1階にあり、2階にあるラウンドテーブル法廷は、準備手続や和解における利用を主目的としており、1階の法廷の進行状況により、ラウンドテーブル法廷の利用が相当と思われる場合に利用することを考えている。車椅子使用の傍聴人がいる場合には、2階のラウンド法廷は使用しない。従って、傍聴人については、車椅子の使用に関する情報を事前に把握しておく必要はない。
また、実際の運用に際しては、調停事件の受付時に相手方を含む関係者について、身体の状況等を確認する。具体的には、相手方を呼び出す際には、関係者を含めて車椅子等の利用がある場合には申し出ていただくように、その旨を記載した書面を同封する予定である。
なお、調停事件における家族、その他の関係者については、同席する場合は裁判官の許可が必要であるから、許可の申請があった段階で身体の状況等を把握することができる。
ちなみに、建替前の八王子簡易裁判所の実績では、同時刻における調停事件は最大でも3件であった。万が一、1階ラウンドテーブル法廷(調停室)を身障者が使用している期日に、予期しない車椅子利用者の調停事件が入った場合であっても、裁判官室や多目的室として使用する更衣室等1階にある他の部屋で調停を行うことが可能である。よって、職員が車椅子を2階に持ち上げる等しなくても1階で十分に対応できる。
そのほか、当事者の待合室については、一般待合室のほか、予備室等を使用することになっている。
4. 以上のとおりであり、今回の建替に当たってエレベータを設置する予定は現時点ではない。但し、新営後の同簡裁の事件数や来庁される身障者の割合が大きく増加する等によって、エレベータの設置が必要であると判断される状況が生じた場合には、エレベータの設置を含めた対応について、改めて検討する。
以上