八障連ブログ

八障連(八王子障害者団体連絡協議会)運営委員会より、情報提供を行っています。(「八障連について」カテゴリーを参照)

八障連通信389号

2023年01月19日 | 情報提供
八障連通信389号

謹 賀 新 年 新年のご挨拶 杉浦貢
加盟団体の皆さま 賛助会員の皆さま あけましておめでとうございます。 2023年 の幕開け……令和の御代も早5年目となりました。 昨年は、2月に北京で冬のオリンピック、パラリンピックが行われて……多少のお祭りム ードはあったものの、世相としては悲しい出来事も多かった印象があります。 今現在も続く国家間の紛争や、国内でも首相経験者が犠牲となったテロ事件等もありま した。 コロナ禍も第7波までが押し寄せ、年末から年始にかけては、第8波が予想され、ある いは地域によってはもう来ていると言われるような状態です。 さて新年……先行きの見通せぬ日々の中、八障連代表として、なにか明るい抱負のひと つも皆さまにお示しするべきなのでしょうが…… これを書いている今も、なかなか明るい方向に気持ちが動かず これという抱負も浮かばずにおります。 せめて今年一年、八障連を通じて繋がって下さり、日頃お世話になっている皆さまが、 年間通じてご無事ご息災でありますように。 と、微力ながらお祈り申し上げるところです。 また、大きな抱負は掲げずとも、 市内に集い市内に暮らす……障害のある人の営みに寄り添い、少しでも皆さまのご要望 に答えられる団体であるよう、努めて行きたいと思っております。 本年もどうぞよろしくお願いいたします。

連載コラム  Vol.69 『学校訪問 顛末』  八障連代表 杉浦 貢
去る12月14日は、年内最後の学校訪問でした。6月に、新年度明け最初の訪問をして、10月にも2 回の講話がありました。 前回からしばしの間が開いてしまったことで、講話のカン も鈍り……どうなるものかとビクビクしながら当日を迎え ました。 まあ……どこの学校に伺う場合も一期一会……日々成長し ていく子どもさんの……その年度、その学年の姿にお目に かかることは毎年1度だけですから。  いつの訪問でも、どこに呼ばれるにも…… 《全く緊張しないよ》……などということはありえないの です。 毎日の授業がある先生たちも、もちろんお仕事は大変でし ょうし、日々のご苦労もあることでしょうが…… 私の場合は、呼ばれて行くだけの1度きり。 『その時だけ、ちょっと喋ればいいだけだから簡単でしょ 』 なんて仰る方もおられるかも知れませんが……実態は、決してさにあらず……なのであります。 例えば、ひとつの授業を野球の試合に置き換えて自分で語 るならば……私は先生の代理……代打屋か代走屋とでも言 うような役割になると思います。 レギュラーのメンバーだけで試合を進め、それで勝負に勝 てるなら、そのままで構いませんけれど…… 代打、代走を引き受けるとなると、ここ一番、という大事 な場面で起用されて、打点を稼いだり、塁に出たりしなく てはならない訳ですから、それなりのひと工夫というよう な技量が求められます。 仮にも、子どもさんのための授業に、話し手として参加す るという大事なお役目を、その場しのぎの適当にやって済 ませられるはずもないのです。 毎日、教室に入って教壇に立つ先生には、先生なりのご苦 労があることもちゃんと理解していますよ。 しかし、ただ一回限りの短い授業のみで、初対面の子ども さんたちの意識を、しっかりこちらに向けなければならな い私の立場にも、そこに私にしか分からない緊張があるの です。 わざわざ呼んでいただいたからには、呼ばれただけの確か な結果を残さなねばなりませんからね。 先生にはできないことをやり、先生には分からないことを 子どもさんに伝えるのが私の仕事と自負しております。 今回のお相手は小学校4年生。例によって例の如く、電動車 いすを見たことがない。というお子さんがたくさんいまし た。 『うわあ、かっこいい‼️』 『すごいな‼️』 もちろん褒められてるのは私ではなくて、私の愛車の電動 車いす。 アメリカ、インバケア社製、型式:TDX-SP2の方なんですが …… 私の生活のこと。生まれつきの心身のハンデとどのように 向き合っているかなと…… たくさんの質問が来て、たくさんのお話しをました。頑張 りすぎて疲れたので、なかなか回復に時間がかかりました 。 いつも思うことですが…… 学校へ訪問に出向くと……現場現場の子どもさんたちには とても喜んで貰えますし、私も、自分のお役目にやりがい と手応えを感じます。 しかし、こうした地味な活動が、どれだけ子どもさんたち の将来の役に立つか……実際の社会の役に立つかと言うと …… やはりそこには、大きく重い疑問が残るのです。 本来であれば、どこの学校、どこの教室においても障害の ある児童や生徒さんがいて…… なおかつ教員の方、職員の方の中にも……障害のある人が 学校で働いているならば…… わざわざ私のような人間が外から呼ばれることがなくても 、子どもさんたちは自然にバリアフリーやユニバーサル、 インクルーシブ……といった概念を理解し、より身近な形 で差別や偏見の実態に触れることでしょう。 私のような部外者が学校に呼ばれている状態というのは、  現状……ともすれば閉鎖的と言われがちな学校現場が、地 域社会と接点を持つ一助にはなっているかと思いますが、 より長期的な視点で見るならば、これは決して良い事とは 言えないのではないでしょうか。 将来においては、障害のある子もない子も共に居る教室、 障害のある人もない人も共にいる職場(学校)…というのが理 想です。 いつか、私のような話し手がわざわざ必要無くなる社会が 来ますように。 2023年の1月にも2回の訪問に訪問の予定が入っています。 2月にも2回。 今後も体調崩さぬよう、頑張ります。

事務局通信
自閉症を伴う知的障害者らの一部に見られる自傷行為などの「強度行動障害」をめぐり、厚生労働省は10月4日、障害者の住まいや生 活支援にあたる人材育成のあり方に関する検討会を立 ち上げた。自宅で状態が悪化した人を一時的に施設で 受け入れてアセスメントし、環境を調整して元の住ま いや新たな住まいに移す「集中的支援」の在り方を議 論する。  同日発足した「強度行動障害を有する者の地域支援 体制に関する検討会」(座長=市川宏伸・日本発達障 害ネットワーク理事長)が2023年3月をめどに報 告書をまとめ る。」(福祉新聞より) 脱施設(長期入院)が叫ばれて幾年の歳月が流れたで しょうか。「地域移行」は少しずつサービスなど整備 されつつありますが、受け入れ先の資源、もっと言え ば受け入れる社会の問題もあり、思うように進んでい ない状況はあります。地域の中で重度障害の方の住ま い、暮らしをどう支えていくか、地域生活支援の課題 は多くありますが、その必要性と重要性は増すばかり です。SNSで強度行動障害があるお子様がいる親御さ んのエピソードで、言語コミュニケーションがとれず に数十年たったが、ある日「やめろ」と促しを拒否す る発語があり、一見コミュニケーションが取れないと 思い込んでしまっていたが、お子さんの意思をしっか り確認できたという話がありました。東田直樹氏の執 筆活動に触れて、一側面をみて人間を固定化してみて しまいがちなことを反省したことを思い出します。
ともあれ、本年も皆様にはお世話になりますが、誰もが住みよいまちづくりに取り組んでいければと思います。本年もどうぞ宜しくお願い致します。(事務局:有賀)
強度行動障害を有する者の地域支援体制に関する検討会
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_28187.html

福祉フォーラム 「ブラインドサッカー体験会」
福祉フォーラム 「ブラインドサッカー体 験会」 ~八王子のチーム たまハッサーズのメン バーと体を動かそう~ 1部 チーム及び選手紹介 2部 体験会 体験 今回の福祉フォーラムは、2年ぶりの開催 となります。 「ブラインドサッカー」という競技を皆さ んご存じですか?視覚障がい者が声と、音 の 鳴るボールなどの音を頼りに行う5人制の サッカーです。パラリンピックの競技にも 選 ばれており、2021年の東京大会では男子 日本代表チームは初出場。8チーム中5位 という 成績を納めました。 今回は八王子市を拠点に2005年から活動 しているブラインドサッカーチーム「たま ハッ サーズ」の選手をゲストに、体験会を開催 します。障がいの有無・種類・程度に合わ せ  て可能な範囲で体験いただける内容となっ ています!! 東京大会をきっかけにパラスポーツへの関 心が高まっています。障がい者が地域でス ポ ーツを行うためには施設の理解、サポート ボランティアの確保などまだまだ課題があ ります。今回の体験会を、八王子市におけ  る障がい者のスポーツ環境について考える きっ かけとした いと思いま す。 たまハッサ ーズについ て 八王子盲学 校を拠点に 2005年から 活動。日本 選手権を4 回制すなど 日本の強豪  チームの ひとつ。  福祉フォーラム 「ブラインドサッカー体験会 」 ~八王子のチーム たまハッサーズのメンバーと体を動かそう~   参加予定選手について 田中章仁(たなか あきひと)。2006年 からたまハッサーズ所属。幼少期から弱視 であ ったが24歳で視力低下により全盲に。健 康のために始めたが、競技としての魅力に 惹か れ本気で取り組むようになり、2009年か ら国際試合にも参加しています。 当日はプエンテさんも登場します。

 連載コラム B型肝炎闘病記 パオ 小濵 義久
闘病史 その71
7月に入った頃に、レッスン組のコーチから向 こう(一般組)に行けばと促され、火・金以外の 曜日に一般組に加えさせてもらってのプレーも始 めた。みなさんに一番迷惑をかけるのがダブルフ ォールト(サービスを2本とも失敗する)を連発 してしまうことである。レッスン組ではストロー クの練習が中心で、サービスの練習をする機会が あまりなく、ストロークほどにはサービスの上達 が叶わなかった。丁度その頃、自宅近くにテニス コートがあり、その横に壁打ちができるスペース があると教えてくれた知り合いがおり、8月から は壁打ちをやり始めた。  野球場、サッカー場、テニスコート、その周り を巡る散歩コースがあり、その端っこに多目的ス ペースが設けてあった。敷地全体が運動公園と名 付けられているのだが、表通りから外れた崖の上 にそんな場所があるとは、近くに住み始めてから 20年ほどになるのに全く知らなかった。崖地の端 っこの部分を運動場全体の敷地より一段低くして 、2方面をコンクリート壁にしてあり、2方面は金 網で、金網の外は崖になっており、下には住宅が 並んでいる。地面は土のままで凸凹しているが、 サッカーの練習をしている親子連れがいたり、ひ とりでシュート練習や野球のピッチングやテニス の壁打ちなどをしている人がいたり、お互い譲り 合って汗を流していた。  壁を利用してストロークやボレーの練習をして いる人が数人いらっしゃったが、私はまだ上手で はないので、どちらも何回も続けられず練習には ならないので、ひたすらサーブの練習をした。コ  ート上での試合で仲間に気を使いながらプレーす るよりも、この壁打ちの方が集中して練習でき充 実感を感じられた。真冬の寒い時でも10分もサー ブを続けていると汗が滲みだしてくる。 8月は旅行の疲れからか体調不良気味で試合に はあまり出かけず、ひたすら壁打ちに明け暮れた 。その日の体調によってプレーの質が違ってくる が、波はありながらもサーブの質が段々上がって くるのが分かり、上達は何よりもの歓びとなる。 壁打ちでも充分運動にもなるし、楽しさも味わえ た。そうなっても、レッスン組ではその上達ぶり を時には披露できても、一般組の試合ではなかな か発揮できなかった。 テニスに夢中になり出すと、自然高尾山に登る 回数が減っていった。8月16日は8月としては2回 目の高尾山だったが、稲荷山コースの途中で肝臓 の悲鳴を聞いた。黄龍に次いで2回目のことだ。 ベンチのあるところまでゆっくり登って、しばら く休んでから頂上まで登り帰ってきた。2015年の 夏は雨の多い年で、9月には台風も来て、8月は5 回、9、10月は2回しかコートに行けず、天候と体 調を見ながら身近の壁打ちでひたすら汗を流した 。 10月の中頃から再び第三者評価の仕事が入って くるようになった。下半期の忙しい時だけ仕事の 依頼が来るが、無理に引き受けなくとも良いので 楽な仕事だとも言える。老後の社会貢献のひとつ でもある。利用者の立場に立って日々の業務がな されている事業所に行っての調査はこちらの勉強 になることもあるし、そういった事業所でのきめ 細やかな配慮や工夫をお聞きしていると、思わず こちらの胸が熱くなることもある。 9月3日に虎の門病院への定期的な通院時に、久 し振りにMRIを行った。血液検査の結果はいつも 通りで特に気になるところはなかったが、MRIの 結果を見て、ちょっと気になるぁと熊田Drが呟き ながら、11月末に再検査をしようということにな った。12月7日の外来で、MRI画像に1㎝強の陰 が出現し、癌マーカーも上昇し異常値を示してい ることが分かった。すぐに入院手続きをして帰る よう言われ、病室があき次第入院と宣告された。 肝臓での10回目の入院であり、3回目の肝臓癌の 治療である。2006年には悪性とも良性とも判断が つかないけど、念のために治療しようということ で、ラジオ波凝固法の治療を行ったのだった。 早速テニスクラブの方へ癌ができたので治療の ために入院するから、クラブの方は休会にしてお いて下さいと伝えると、「お大事に」と言われ 、3月末までの会費を手渡された。きっともう戻 って来ないと判断されたのだろう。

編集部より 
八障連通信 389号をお届けいたします。障害を理由とする差別の解消の推進に関する基本方針改定案のパブリックコメント募集が12月よりありました(現在は締め切られています)。改定案はより具体的に解説、例示が添えられました。わかりやすさが増した一方で、従来の条文からの内容とは大きな変わりは見られませんでした。社会モデルの視座でまとめられています。法の考え方の条文案には「法は、全ての障害者が、障害者でないものと等しく、基本的人権を共有する個人としてその尊厳が重んぜられ、その尊厳にふさわしい生活を保障される権利の推進に関する基本的な事項等を定めることにより、障害を理由とする差別の解消を推進することで、共生社会の実現に資することを目的としている」という文言が追加されました。(編集部)


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