八障連ブログ

八障連(八王子障害者団体連絡協議会)運営委員会より、情報提供を行っています。(「八障連について」カテゴリーを参照)

八障連通信396号をアップします。

2023年08月24日 | 情報提供


ここからは通信本文です。


避難行動要支援者支援  個別避難計画の仕組みについて 八王子市福祉部障害者福祉課
1 基本的な考え方
  昨今多発する自然災害により、全国的に高齢者等の被災が多数発生しております。こうした状況から、災害
時に自力避難ができない避難行動要支援者の安全を確保するために、令和3年5月に災害対策基本法が改正さ
れました。主な改正点は次のとおりです。
◆警戒レベル3で避難開始
  危険な場所にいる高齢者や障害のある人は、警戒レベル3「高齢者等避難」で避難を
開始する。
◆個別避難計画作成の努力義務化
  避難行動要支援者ごとの災害時の避難方法等をあらかじめ定める個別避難計画の
作成が、任意から市町村の努力義務となる。


  災害対策基本法の改正に伴い、本市では避難行動要支援者の避難支援の基本的な考え方
 を次のとおり定めました。


A 本当に避難支援が必要な方の抽出
避難行動要支援者の形式要件(要介護度・手帳所持度等)は、重症度を加味します
。また、ひとりぐらし高齢者、老々世帯等の実態調査を行い、避難支援が本当に必要
な方を要支援者とします。
B 「安否確認」ができる仕組みづくりを目指す
避難支援を「安否確認」と「避難誘導」に分けて考え、少なくとも災害時に避難行
動要支援者の「安否確認」ができる仕組みの完成を目指します。
C ハザードエリアに住む方への対応を優先
頻発する風水害に備え、ハザードエリア(浸水想定地域、土砂災害警戒区域等)に
住む、避難行動要支援者の避難支援の仕組みづくりを優先します。


2 避難行動要支援者の新要件
   本市では、基本的な考え方に基づき、避難行動要支援者の新要件を次のとおり定めました。
  市では本要件に基づき、避難行動要支援者名簿を作成します。


要件 対象者数


① 要介護3以上の認定を受けおり、施設等に入所していない方


約20,000人



次のいずれかに該当する障害者手帳所持者で施設入所していない方
◆自力避難が困難な者、◆避難情報の入手が困難な者、
◆避難の判断が困難な者
③ 75歳以上のひとりぐらし高齢者で、自力避難が困難かつ同意をする方
④ 75歳以上のみの世帯で、自力避難が困難かつ同意をする方
⑤ その他、特に災害時に支援が必要と市長が認める方
3 個別避難計画の作成
(1)対象者
個別避難計画とは、避難行動要支援者の災害時にとるべき避難行動について、避難支援に
協力できる方々の名前、避難場所などを一人一人の状況に合わせてまとめたものです。
 本市では、令和4年度より必要な避難行動要支援者(※)に対する個別避難計画について、
市が主体となり作成を進めており、令和7年度までに完成させる予定です。
  (※)原則として、避難行動要支援者名簿に掲載された方で、ハザードエリアに住み、


かつ、個別避難計画を作成することに同意する方を対象とします。 


(2)計画作成者
   個別避難計画作成には、市町村が主体となり、福祉専門職、民生委員、自主防災組織や
地域で活動する障害者団体や難病・小児慢性特定疾病患者団体など様々な関係者の連携に
より作成する必要があり、本市では特に、当該避難行動要支援者のことをよく知り、災害時
に安否確認ができる方に計画作成者になっていただくようお願いをしております。
具体的には、令和4年度からは要件①についてはケアマネジャー、要件②のうち計画相談
支援事業所につながりのある方については、同事業所にそれぞれ作成依頼を行い、進めてい
る所です。また、令和5年度からは要件③、④を民生委員に作成を依頼する予定です。
(3)個別避難計画書見本
こちらから八王子市のホームページにリンクしています。




事務局通信 Vol.89
2023年7月24日に障害者計画、障害福祉計画の学習会を開催しました。策定委員の方々からこれまでの計画の経過、現状の課題などお話をお聞きしました。また手話通訳2名の方に依頼し、zoomによる意見交換の場を設けました。
障害福祉計画は今回、7期の策定の取り組みとなります。『八王子市障害者計画」は八王子市の障害者施策の基本となるもので、「障害福祉計画」は、施策について具体的な目標値を定めたものです。』と八王子市のホームページには説明があります。障害福祉計画は総合支援法に定めるサービスの数値目標となり、障害者計画はその他の法律も含めた計画となります。
これらの障害者関連の計画は八王子市は基本構想となる八王子未来デザイン2040を策定しており、その下位計画に位置付けられます。
計画の基本方針として「安心して暮らせるまちづくり」「ともに働き、学び、社会参加するために」「ともに支えあうために」の3つがありますが、今回は「地域づくり」というキーワードがプラスされているそうです。また障害者計画は今まで3年間で見直しを行い策定しておりましたが、今回は中期的な計画を策定したいという市の意向があり6年間の計画に変更されました。
これについては策定委員会で当事者委員等から社会情勢の変化が著しい中、6年間は長いのではと意見があったそうです。
地域課題は自立支援協議会や各団体などから出ている課題を計画の中に落とし込む形で検討していく予定だそうです。資料を同封しましたのでご参照ください。また学習会では放課後デイの支援の質の問題、地域課題を自立支援協議会へつなげる仕組みの必要性、就労継続支援B型のニー
ズに対する在り方や整理、事業者数や立地の偏り、就労者のヘルパー利用、地域偏在の問題、障害者の家族への支援など話題となり意見交換しました。
国は成果目標について、
1.施設入所者の地域生活への意向
2.精神障害者にも対応した地域包括ケアシステムの構築
3.障害者の地域生活の支援
4.福祉施設から一般就労への移行等
5.障害児支援の提供体制の整備等
6.相談支援体制の充実強化等
7.障害福祉サービス等の質の向上を図るた
めの取組に係る体制の構築
以上7点を挙げています。これらの項目も計画に反映されてくるのではと考えます。
学習会では医療的ケア児のことも話題となり、障害児については同じく見直しをしている第3期障害児福祉計画で策定委員会が行われているとのことです。
今回の策定委員会での次期計画案は本年12月に行われる市民パブリックコメントで意見を公募される予定ですが、その時期の意見を計画に反映するには時間的に難しく、現状行われている策定委員会へ意見を届ける必要があります。次回策定委員会は8月29日で第4章の見直しとなります。今後のスケジュールをご参考に、是非パブリックコメントを待たずにご意見を策定委員へ届けていただければと思います。ご意見については策定委員に直接届けていただければと思いますが、八障連事務局へいただいても策定委員へ届けます。特に新規の事業については計画に載っていないものは予算化されにくい現状があるようです。ご意見をお待ちしております。(文責:有賀))


連載コラム B型肝炎闘病記 パオ 小濵 義久
闘病史 その77
明くる18日の朝9時前に手術室に到着。手術室でやるんだっけ?エーッ、そんな大変なことだった
っけ?と少し動揺する。9年前に初めてFRAを受けているが、10回の入院の中で一番体調が良くな
く、殆どをベッドに寝たまま過ごしていた。その為か、多くのことをあまり覚えていない。治療そのものはとても楽だった記憶だけがあり、検査室のようなところで受けたような気がしていた。手術室という場所が醸し出している独特な緊張感が、事前に準備されていなかった私の心を動揺させた。
ただ、この手術室は21年前の初めての癌切除手術の時に利用したし、2回の血管造影検査時にも利
用している。馴染みのある場所ゆえ、大きな驚きはなかったが、心の準備を取り違えていた。結婚式のつもりで行ったら、告別式だったなんてことはあり得ないか、、。深呼吸をして、心を整えているところへ、手術着に着替えた担当医が扉を開けて入ってきて、声を掛けてくれた。明るく朝の挨拶を交わし合えたので、気持ちを切り替えることができた。
医師と看護師が手際よく準備をしている間に、冷たかった手術台も肌に馴染んできた。じゃあ、始めましょうかという声と同時に、手術着が頭の上にまくり上げられ、視界が遮られたが、局所部を覆うT字帯の他は真っ裸のまま手術台の上の横たわっている自分の身体が俯瞰された。昨日術前の説明に来た若い看護師がT字帯についてはっきり認識しておらず、訊いてきますと去ったまま帰って来なかったことが思い出された。ばかったれーと毒づいてみた。
準備が整ったところで、「小濱さん、じゃあ行きますよ~!」と声がかかった。消毒しますという声が聞こえてすぐ、みぞおちのあたりが冷たくなり、一瞬身体が強張った。案山子になったような気分だ。麻酔の注射が打たれてから、エコー画像を見ながら部位の確認を慎重にしているようだったが、間もなくして針が刺された。慎重に奥深くへと針が向かっている途中、押された時の強い圧迫感を伴う深い鈍い痛みというか、えもいわれぬ感触がし、思わず腰が引けそうになった。が、逆にお腹に力を入れて踏ん張った。
前回は痛みも痒みも感じないようなあっけなさだったような気がするのだが、眉間にしわを寄せ耐えることで精一杯だった。「じゃあ、これから電気流しますだったか、スイッチいれますだったか?」定かな記憶がないが、お腹の奥が幾分か温かくなったように感じた。ほんの数秒の瞬間芸で、すぐ「終わったよ!」と声がかかったが、緊張していたようで身体が強張っているのを感じた。肩にも力が入っていた。これしきのことでと内心自分にダメ出しをしてから、身体をほぐしていった。手術室は温度が低いので、結構身体も冷えていた。
手術室の準備室で病棟看護師の迎えを待って、病室へ帰った。いつかも書いたが、最近の入院は同室患者と全く話もしないまま、名前さえ覚えずに退院してしまうことが多い。昔なら、大変な検査や手術で病室を出かける時は「頑張ってね!」、帰ってきた時は「お帰り。」と言い合ったものだが、最近は全くコミュニケーションがないのが寂しいなぁと感じる。良い意味での励まし合いは闘病生活を益あるものとするのに、残念なことだ。
その分、家族が毎日来院する人も多く、カーテン越しに毎日話し声が聞こえるとうるさいなと感じる時もある。今回はこの「闘病記」を書くためにパソコンを持ち込んでおり、主に執筆をしながら、疲れたら読書と散歩をした。18日は39.7℃まで熱が出たが、夕方には病室内歩行が認められ、37.2℃、37.5℃、37.0℃と順調に下がって行った。19日は病棟内、20日は病院内と行動範囲が広まり、20日には4,735歩も歩いている。速報という形で入院生活を書き綴った。
消灯時間は9時で早くて寝入れないので、いつも10時まではデイルームで読書をさせてもらってい
る。今回持って行った本は「世界の名著」の中の「ニーチェ」と軽い読みものだ。入院中唯一のひとりきりになれる至福の時間でもある。入院した14日が67回目の誕生日だったが、この歳までよく頑張ったねとたまには自分をほめてみた。しかし、何も出ては来なかった。


通信本文はここまで。


最新の画像もっと見る