深夜2時ごろ、食料とたばこを買いにコンビ二へ行った。雨がたくさん降っていた。家を出てすぐ、おばあさんが向かいから歩いてきた。なぜ深夜におばあさんが?、とも思ったが、どしゃぶりの雨だというのに傘もさしていないことも気になった。おばあさんは、よくご老人が歩くときに使っているカートみたいなのを押していた。まぁでもいいか、と思って、俺は横を通り抜けた。
すると、その直後、後ろから声が聞こえた。振り返ると、おばあさんが立ち止まって、こっちに向かってなにか声を発していた。なんか用事だろうか、と思い、おばあさんのほうへ歩み寄った。すると、おばあさんは俺に向かって、「~~いる?」と言っていた。前方を指差しながら、なにか俺にたずねているようだった。しかし、「~~」の部分が聞き取れない。他にも何言か言ってたが、雨の音にかきけされてしまう。
30秒くらい話していただろうか。俺も何度か、あっち? とか、ん? みたいな言葉で探ろうとしたが、結局なにを言われているかわからなかった。なので、最終的に、わからない、ごめんなさい、とおばあさんに言った。おばあさんは、あぁそうかそうか、って感じでまた前方に歩き出した。そしてそのまま、僕らは別れた。
その後、コンビ二へ行く道中、あれはなんだったんだろう、と考えていた。なにを聞きたかったんだろう、と。結局わからず仕舞いだが、俺はカップそばとたばこを買って、家路に着いた。食べてから、そばは味気ないな、と思った。