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平方録

もっと怖い「ビシッ !」

車のドアに手を触れた瞬間などに「ビシッ ! 」と食らう強烈なショック。

家の中のドアノブでも同じことが時々起こる、あの静電気ショックを今年はまだ一度も経験していない。
別に待ち望んでいるわけでもなく、感じなければ感じない方がいいに決まっているが、毎年冬になると必ず2、3発は食らうショックに出会わないのも、オヤッ ? という気分なのだ。

静電気が生じやすくて、身体に帯電しやすいという特殊な状況というのにはいくつかの原因があるようだが、空気の乾燥度合いというのも大きく左右しているらしい。
晴天が続く冬に静電気が発生しやすいというのは関東地方の常識なのだが、冬型の気圧配置がもたらす晴天の日が極端に多く、しかも日本海側に大雪を降らせた後の乾いた空気が関東平野に流れ込んで一層、空気が乾燥するためである。
だから例年だとしょっちゅう乾燥注意報というのが出される。

その乾燥注意報というのを、今冬はまだ一度も聞いていないような気がする。
だって、晴れの日ばかりが続くことの多い西高東低の冬型の気圧配置は安定せず、3~4日に1度は低気圧が通過したり接近したりして雨が降るものだから、大気は適度な湿り具合が続いているって寸法なのだ。
これじゃさすがにビシッ ! とは来ないよな。

明日も今冬何個目かの南岸低気圧が南関東沿岸に沿って太平洋を北上する。
この南岸低気圧ってのはかつては〝台湾坊主〟と呼ばれ、南関東に大雪をもたらすことが多い低気圧なのだが、これが現れるのは春が来る前触れで、だいたい2月の下旬から3月中旬にかけてのころのことなのだ。
まだ寒に入ったばかりのこんな時期から南岸低気圧が現れること自体が異常といえば異常なのだ。
まさか、もう春になるって事なんだろうか。

春がやって来るのは大歓迎だが、物事には手順ってものがあるからなぁ。
手順を踏んで、まず厳しい寒さに耐えてこその春だろうよ。
だからウメの便りに一喜一憂し、ウグイスの初音はまだかと耳をそばだてる。
その春を待ちわびる気持ちが貴重であり、大事なのだ。
暖冬そのものはありがたいのだが、暖冬になった理由が昨今喧伝されている地球温暖化の一環だとしたらコトは複雑で深刻、単純に喜ぶわけにはいかない。

この静電気のない冬って状況、不意を衝くドアオノブの一撃よりはるかに強烈なものだとしたら…

冬の柔らかな日差しを浴びる横浜イングリッシュガーデン
この庭の一角にでは早くもアネモネが咲き始めている(見出し写真)

ロウバイはこの時期の花

ウメとサクラを掛け合わせたアメリカ生まれの珍しい「エレガンス・ミユキ」は満開

一方でまだバラが

季節を無視したかのように


あでやかに咲いている

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