平方録

魔球よ 魔球よ ハァ~リィ~ケェ~ン ♪

一瞬目が点になりかけましたナ。

昨日の夕食の後、何となくつけっぱなしにしておいたテレビに「UFO」の懐かしい曲が流れ、画面に目をやると2人組の女性デュオがダンスしながら小気味よく歌っている。
ん? と目を凝らすと見かけない顔である。しかも、少し老けているように見え、それを化粧でカバーしているようにも見える。
ただ、超ミニスカートからスラリと伸びた脚には十分な張りがある。つまり色っぽいのだ。
もしかすると…と頭に浮かんだデュオの名前を思い出し、彼女たちだとすると今幾つなんだ? と少し驚く。

そうなのだ。
あのピンクレディーだったのだ。
流れていた番組はTBSの「レコード大賞」で60回記念だったらしい。
ここで彼女たちはメドレーで4曲も歌った。

「UFO」以外には「S・O・S」「渚のシンドバッド」「サウスポー」。
ただ歌うだけでなく、若いころと同じように結構激しい動きを伴うダンスをしながら歌っている。

若くは見えないが良く息が続くなぁ~と老婆心を起こすが、案の定、4曲が終わった後のインタビューでは肩で息をし、苦しい息遣いで応じていたのがそれなりの年を証明していた。
「も~ぉ、死んでもいいと思って歌いました」と左側の女性。
ミーって人らしいけど、2人の名前はほとんど知らないのだ。ボクの記憶は単に「ピンクレディー」だから。
後でネットで調べたのだが、2人とも還暦の60歳だそうだ。正真正銘のオバアちゃんである。
それにしちゃぁあの脚は見事でしたナ。

彼女たちのデビューは1976年だそうだ。
ボクが社会に出たのが72年だから、ピンクレディーの歌が流れ大ヒットしていたころは、無我夢中で寝食も忘れるほどに働いている時期でもあった。
仕事はとても面白く、使命感さえ帯びて、何でもどんと来い!という気概にあふれていた。
テレビなど見る暇も時間も無かったけれど、車で移動する時とか、飲み屋のバックグラウンドでしょっちゅうヒット曲が流れていたから、自然と耳にこびりついてしまっていたのだ。

「サウスポー」の歌詞に「魔球よ魔球よハリケーン」ってのがあったが、その ♫ 魔球よ 魔球よ でグングン盛り上がっていき、そして一気に砂塵を巻き上げる勢いで ♫ ハァ~リィ~ケェ~ン~ と強烈に吹きすさぶ感じのメロディーを耳にすると、自分が魔球の持ち主になったような気分で肩を怒らせて仕事に臨んだものだった。
知らず知らずのうちに鼓舞されていたのである。
普段は娘たちと遊ぶ時間も無かったが、まだオシメも取れないようなころから、テレビから流れるリズムに合わせて身体をくねくね躍らせていたらしい。
視覚的にはお色気路線だったように思うが、不思議に老若を問わず人気があった。

年の瀬に、思いがけない奮闘を見せてもらった。



西高東低の冬型の気圧配置が続き、毎日富士山が良く見える


「天上夢幻濁酒」なるお酒を戴き、ピンクレディーを聞きながら夢幻の世界に浮遊した
人生もまた、ゆめまぼろしのごとく濁りの彼方に消えてゆく この世を離れた天上界がそうであるように…… なぁ~んちゃって
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