大ウソをついて騙したツケだろ

人が他人に自分を売り込む時、自分をことさら小さく見せようとする人はほとんどいないだろう。

逆に、自分の価値を認めさせようとして必要以上に誇張してしまうものなのだ。

それが人というものなのだと言われれば、確かにそうかもしれない。

でも、多くの場合、そうした誇張は程度の差はあるだろうが、せいぜい自分の輪郭をちょっと大きめに見せるか目鼻立ちの線を濃くして見せる程度のもので、目くじら立てて「嘘つき！」とののしるほどのものではなく、微笑ましさのオブラートで包まれた程度のものだと思う。

見合い結婚というものがどういう物かボクは知らないが、そこで最初に紹介されるお互いのプロフィールなんてものは、その典型例なんじゃないだろうかと思うのは実感ではなくて、書物やら実際の経験者から聞いての知識だが、「騙された」と言いつつ、ちゃんとさやに納まっている所なんぞは不思議な気がするし、「無邪気な誇張」と言って笑て見過ごせる程度の、それが男と女というものかと半可通を振り回したくもなる。

そう言うデンで行けば、人と人との間には「誇張」というものが当たり前のように存在しているのだが、時には無邪気さからかけ離れてしまった誇張があるようで、来年の真夏に開かれる予定の東京オリンピックをめぐる「サッポロだ」「トーキョーだ」の騒動はバカバカしくて見ていられない。

そもそも何で今さら東京でオリンピックを開かなくちゃいけないんだ、東日本大震災の復興をはじめとして喫緊の課題は山積していて、トーキョーが一人別格本山官幣大社のようにとびぬけた存在として浮かれていていいのかよと疑問に思っているボクは、東京オリンピックに白い目を向け続けている一人である。

つまり、トーキョーの招致委はIOC総会でそもそも大ウソをついて開催を認めさせたのだ。

あのトーキョーの酷暑の８月に世界中から超一流アスリートを呼んできて運動会を開くなんて、だれが考えたって「えっ、よりによって８月に！」と思ったろう、日本人なら。

それなのに、あろうことか、招致委はトーキョーの８月をして「もっとも快適な季節」とシレッとした顔で説明したのだ。

おまけにあのアベなんちゃらもが原発事故の放射能汚染を心配する各国の懸念を払おうと「汚染水も含めてすべてアンダーコントロール」と日本語のスピーチの中で、そこだけわざわざアンダーコントロールという横文字を使って、全世界に向けて真っ赤なウソの大見えを切ったのだ。

正直ってボクは、言うに事欠いてそこまで大ウソつくか ?! と驚きあきれ、腹が立つより先に、なぜか赤面してしまった。

ヤツ特有の言葉の軽さと平然とウソをつき通してまったく恥じない本性丸出しの言葉に一人の日本人として、穴があったら入りたいくらいに恥ずかしくなったからである。

原発事故の処理に悪戦苦闘しているのは現実中の現実で、どこがアンダーコントロールがと今でも思っている。

言うに事欠いた環境大臣が薄めて海に流すしか方法はないと言い放ったが、本音だろう。それが実態なのだ。何がアンダーコントロールだ！

おまけに電力会社の幹部のところに届く菓子折りの菓子の下には小判がぎっしり詰まっているなんて、出来損ないの時代劇のようなことまで実際に起きているのだ。

IOG関係者のところにも同じような菓子折りが届けられていたという話がかつて伝えられ、一部の関係者がIOCによって排除されたりし、JOCの会長だってつい先だって辞任を余儀なくされたのは記憶に新しい。