それも音を立てて強く降っている。
6時になっても雨は降り続いている。すると、雨音を遮るように花火が3、4発打ち上がってドンドンというくぐもった音を響かせる。
どうやら孫娘の姫が通う小学校の運動会は決行のようである。
開会式を30分遅らせるという知らせに合わせて学校に行くと、高学年の児童たちが雑巾を手にグランドに這いつくばっているのが見えた。
たまった水を雑巾で吸い取っているんである。
さすがに小ぶりにはなったが雨は断続的にポツポツ落ちてきている下での作業である。
翌日曜日を予備日に設定してあるのだから延期すれば良いものを、しかも予報は朝から晴れなのに、と思うのだが、日、月と連休になるのだから先生の側にも都合というものがあるんだろう。
後で知ったことだが、この日、市内各小学校で予定していた運動会決行したのは2校だけだったそうである。
結局運動会は1時間も遅れて始まった。
さすがに子供達は短パンに半袖のおそろいの体育着で元気いっぱいだったが、大人たちはじっとしたまま声援を送るしかないものだから寒くてかなわない。
27、8度になるという予報を信じ切って出かけたものだから半袖しか持って行かなかった。
気温は17度しかなく、弱いながらも風も吹いているので携帯電話を持つ手が震えるありさまで、近くのホームセンターまで行って長袖シャツを買って着込む羽目になった。
結局、この日は一度も太陽が顔を見せないまま運動会は終了したのである。
姫はといえば、水曜日に胃腸炎と発熱を起こして学校を早退して木曜日も休んでしまったのだ。
それを聞いてすぐさま思い浮かんだのが、リレーに出られなくなっちゃうじゃないか、ということ。
そうなると一大事である。
3年続けてリレー選手に選ばれた時は息急き切って家に帰ると、すぐに電話でボクに知らせてきたほど張り切っていたんである。
姫にとってリレーに出場して注目と声援を浴びることは学校生活前半のハイライトなのだ。
幸いに滑り込みセーフで熱も引き、胃腸炎による下痢も収まったが、抗生物質を飲んだままの出場である。
力が入らないだろうにと思うのはお門違いというもので、子供はすぐさま元気を取り戻すものらしい。
撮影した写真を拡大して見て驚いたのだが、リレーでバトンを持って走っている時も徒競走でトップを走っている時も、他の子が歯を食いしばったり、真剣な面持ちなのに、姫一人が嬉しそうな笑顔で走っているんである。
ご褒美にステーキ屋さんに連れて行って食事の時に写真を見せたら 「だって走ってる時ってすっごぉ〜く楽しいんだもん」「楽しいから嬉しいの」と言うのだ。
ボルトだって真剣な顔して走ってるぜ。昔、ジョイナーって褐色の女性ランナーがいたが、彼女も真剣な顔だったぜ。
そう、“微笑みのランナー”として新たに登場することになる陸上界の女王こそ、わが姫なんである。
グラウンドは水浸し
小雨が落ちる中、応援合戦が始まっらのが10時過ぎ
わが家の西側のフェンスのローゼンタール・シュパリース・ホープ
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