ソメイヨシノがまとまって咲く姿…例えば千鳥ヶ淵のお堀端とかヨコハマの根岸森林公園、鎌倉の段葛…などなど。
満開の時はつくづく「見事だなぁ!」と立ち尽くしてため息を漏らすほど美しく、そんな光景に出くわすと茫然と我を忘れて見惚れるほどだ。
そういうソメイヨシノも悪くはないが、山道の頭上でほかの木々に肩を並べ、あるいは頭一つ抜け出して陽の光を浴びているヤマザクラもまた美しく、素敵な存在である。
今や街中のソメイヨシノの開花もだいぶ進んだことだろう。
昨日は朝の内こそ晴れ間が広がっていたが、次第に雲が優勢となり、風も強くなっていった。
土曜日が雨になり、しかも真冬に逆戻りするような寒さもつれてくるというので、心置きなくコタツのシミになれるよう、身体を動かしておくことにし、散歩に出た。
少しは尾根道も歩こうと思ったが、風はことのほか強く、しかもすでに冷たい。
温室暮らしであるかのようにひ弱な精神と肉体しか持ち合わせていない身には鬱陶しくてたまらない。
それでもちょこっと歩いた近所の山道ではヤマザクラがそこかしこで開き始めているのを確認できた。
あのヤマザクラってやつは、高い木々の枝先で咲いているため、他の木々に紛れたりして咲いているかどうか普通では分かりにくい。
それでも咲いているのを知ることができるのは、たどっていく山道や尾根道のあちこちで足元にチラホラと花びらが落ちているからで、それで初めて頭上を見上げて「あっ!」と気がつくのだ。
ただし、咲き始めの今頃は、その花びらが教えてくれないので気がつきにくい。
何かの拍子に振り返ったり、鳥の気配に頭上を見上げたりした時にたまたま目に入って「おっ♪」と気付くのだが、これがまた嬉しい。
まるで自然がボクに好意を持ってくれて、ボクだけにこっそり教えてくれているような…♪
これからますますそういう機会が増えることだろう。
近所の池と森の公園でチラホラ咲き出したヤマザクラ
下を通った時は気がつかなかったが、何かの拍子に振り返った時、黒々とした太い幹が咲き出した花を浮かび上がらせて教えてくれた♪
ここでも人知れず咲いている
こんなにたくさん咲いているのに、最初は通り過ぎてしまった
花びらが落ちていればすぐにわかるのだが…
気がついたのは帰り道にフト空を見上げたことから…
ここのジャヤナギの新芽は日増しに濃くなっている
朝と夕でも緑の色は違うと思う
美しさはサクラの花にも負けない
あちこちで新緑が芽吹き始めてにぎやかになって来た
秋になると実をつけるが名前は知らない
山が笑い出している
ボクは紅葉の季節よりも山笑うころが一番好ましく思う
キブシだけは名前を知っている
目覚め始めた早春の山でキブシのぶら下がった花は軽やかなリズムを奏でているようで、いいアクセントだ