ベランダに出たのは午前4時05分だった。
見上げる南の空にたくさんの星が光っているのにすぐ気が付いた。
これまでだって星が瞬く朝を迎えたことは何度もある。
それでも、オヤッ ! と特別に感じるほど瞬く星々を見た記憶は、最近ではない。
まだ夜が明ける兆しがほんの少しでも届いていない闇の世界が続いているせいだろうか…
それとも今朝の空気が特別に澄んでいるからだろうか…
南天の少し東に寄ったところにオリオンの三つ星がことさら際立って光っている。
その三つ星の左上にオリオン座のペテルギウスが光り、三つ星を挟んだ反対側にはやはりオリオン座のリゲル、そして三つ星を左下方に伸ばした先には太陽を除いて全天で一番明るいおおいぬ座のシリウスが輝いている。
そしてシリウスの左斜め上、ペテルギウスの左斜め下方向に光るのがシリウス、ペテルギウスと共に「冬の大三角」をなすこいぬ座のプロキオンだ。
「冬の大三角」はそもそも冬の宵の口辺りから東の空に現れ、次第に高度を増していって凍てついた空に存在感を際立たせるものだが、今はまだ朝方の空に光っている。
ボクには何だかその意外性が印象的である。
それはあたかも、間もなくオイラの出番だぜ、とでもいうかのような自己主張ぶりで本来なら「まだお前の出る幕なんかじゃない ‼ 」と一喝して追い返したいところだが、まだ8月だというのにしゃしゃり出ようとする厚かましさと図々しさに少し気おされ気味なところがあって、タジタジしてしまうのだ。
なんてこった。
こうなると夏大好き人間も形無しである。我ながら苦笑するしかない。
でもまぁ、それくらい奇麗な星空が広がっていたのだということなのだ。
おかげで、空気が澄んでいたせいか、オリオン星座の三つ星のすぐ脇にあるオリオン大星雲もぼんやり見えた !
もちろん肉眼で。
大三角のシリウスとオリオンの三つ星を結んだ線をさらに天空方向に伸ばしていくとそこにも1等星のおうし座のアルデバランが光っている。
とにかく、南の方角を向いてちょっと首を上方に傾げるだけで4つもの1等星が目に入り、大星雲まで見えてしまう豪華さなのだ。
特に期待していたことでも何でもなく、たまたまこういう光景に気付いただけだが、空は見上げてみるものだ。
このアルデバランに向かってアメリカが打ち上げた惑星探査機パイオニア10号が飛行中なんだそうだ。
そしてアルデバランに最接近するのは約200万年!!!! あとだと考えられているってことのようでもあるのだ。
おぉ、なんてこった。
200万年後っていったいいつのことだ。
4:22の東の空
4:05過ぎにオリオンの三つ星を撮ろうとしたのだが、如何せんスマホでは無理だった
4:47 昨日に続いてきれいな朝焼けだった 特に今朝は空気が澄んでいる