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平方録

梅雨の中休みの日に

梅雨の中休み…と言ったって青い空が一面に広がるわけでなし、時折自分の影がはっきり見える程度だが、それでも雨の匂いのしない日は久しぶり。
梅雨はまだ続きそうだし、どんよりと低く垂れこめた雲に光の大半を奪われた日々を送っている身には明るい曇り空は貴重で、こういう時はだだっ広い景色の中に身を置くのが一番いい。
好みに合う。

かつてこの浜を自ら〝東洋のマイアミビーチ〟と称して彼の国にかぶれきっていた片瀬東浜と西浜の海水浴場に昔日の面影はない。
今の若い子たちはカイスイヨクという単語を知らないからで、海から上がった後のべたべたした感覚を忌み嫌っている。
高度経済成長期にはここの広い砂浜が見えなくなるほどの人で埋まったのだ、などという話はもはやホラ話の類で、今の若い人は誰も信じようともしない。

まぁ随分改善されたとはいえ、確かに海は汚れきっていた。
そんな汚れた海水にわざわざ肌をさらそうなどという女の子はいないから、尻を追い掛け回す男どももそれに従うしかない。
そんな状態がもうずいぶん長いこと続いているのだが、今年も7月1日がやって来るとこれまで通り律義に神主を呼んできて海開きをした。

今の海の家にゴザなんてないのだ。
だだっ広い床に砂に汚れたゴザが敷かれ…
そんな光景は今ゼロ。みんなイスとテーブル。
だから泳ぎ疲れたから海風に吹かれてちょっとゴロ寝なんてのは出来なくなった。

昭和も遠くなりにけり。


海に入らないけど浜辺は嫌いじゃないっていう女の子はいるのだ

まだあれこれ準備中



バイト君は座っているのが仕事

今年からお目見えの新しいスタイルの〝海の床〟
あのキノコの家のようなテントは何だろう。個室かな? 広々とした景色のところに来て個室に閉じこもる?

砂浜が人で埋もれて見えない時代もあったとさ…あったとさ



サーファーは隣の浜辺に追いやられた

梅雨ど真ん中

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