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平方録

身ぐるみはがされちまった !?

3か月に1度、総合病院に行って薬をもらってくる。
新型肺炎が騒がれ出して以降、昨日が初めて診察日だったのだが、家に戻ると玄関先に出てきた妻に身ぐるみはがされてしまった。
…と言うとちょっと大げさすぎるかもしれないが、羽織っていったベスト、その下の少し厚手のシャツ、Gパンを脱いで洗濯機に入れろという。

「ウイルスがくっついているかもしれないから気持ち悪い」と言うのがその理由。
「そんな非科学的な」と若干の抵抗は試みたが、同居人が「気持ち悪い」と言うのであれば、服を脱ぐくらい大したことでもないので従ったが、内心では過剰反応だと思った。
しかし、得体の知れないものに対する漠然とした恐怖感と言うのはボクにもあるし、過剰気味に反応をする気持ちも分からないではない。

病院は予約患者しか受け付けていないので、空いていた。
大雑把な感覚では普段の半分かそれ以下くらいに見えた。それくらい空いている。
だから院内を移動する際も、診察の順番を待つ間も、ボクの周囲2~3mに他人が侵入してくることは、ほぼ皆無と言ってよかった。
ボクの方でも意識して避けた。

出掛ける前にアルコール消毒薬の入った小型のスプレーを手渡されたし、指先を消毒する薬品を湿らせた手拭きも渡された。
で、地下駐車場に車を止め、中に入ろうとすると透明の薄い板で顔を覆い、しかもマスクをした職員に熱があるかなどをチェックをされる。
そこを抜けて受付機に診察券を入れ、必要な書類を持って血液検査と採尿を済ます。
この間、どこかに手や指が触れたかと言うと、受付機のタッチパネル、採尿室と診察室のドア把手、診察終了後の支払機のタッチパネルくらい。

これらに触れた時は持たされたアルコールで消毒したし、エスカレーターの手すりにも手はつかず、個室を使わなければトイレにはドアがないし、水道は蛇口に手をかざすだけで温水が出てくるという塩梅だ。
感染症の専門家は電車のつり革、手すり、不特定多数が触るドアの把手などを感染者が触った場合、ウイルスが付着している可能性があるので注意するよう促している。
そういうことなので、一応気を遣ったつもり。
油断のならない、気の抜けない社会を生きることになったものだとつくづく思う。

東日本大震災の日のブログにこんなことを書くことになるとは思いもよらなかったが、いつか笑い話に出来るだろうから、バカバカしさの一端を書き残しておこうと思った。
それにも増して昨日から気分は沈みがちなのだ。
本当は書くのも億劫…



(見出し写真は病院1階の受付や診察料金支払いのための待合ロビーの様子。普段と違って椅子に座って待つ人の姿が極端に少ない)


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