一度友達と入った片瀬西浜のイタリアンレストランが気に入ったので連れて行ってくれるというのだ。
国道134号に面したビルの2階で、確かに休みの日などには長蛇の列ができている店である。
月曜日という事もあって、正午を少し回ったばかりの時間だったが、10分ほど待っただけで席につけたのはラッキーだという。
幸運にもテラス席が空いていたので希望し、江ノ島と相模湾が目の前に広がるベランダで自然の空気を吸いながら食事した。
梅雨明けしていないから、遠くは霞んでいたが、頭上の空はよく晴れ渡っていて、真夏の太陽が照りつけ、海風に吹かれながらの食事は気分の良いことこの上ない。
こういうシチュエーションだと、料理が少しくらいまずくても我慢できるものだが、注文した夏野菜と小海老のトマトソースのピザと無花果とゴルゴンぞーらのピザの2種類は外的条件とはまったく関係なく、料理そのものが美味しかった。
私たちは1時間半、ビールを飲みワインを飲んでゆっくりしたのだが、周りを見渡してもみな同じようにゆったりとおしゃべりを楽しみながら、比較的長時間食事をしているようである。意外にも若い人が多いのだ。
日本国中が同じようにする必要もないが、湘南の一角では、ちょっと他とは違う時間の流れ方を見せる場所が存在するのだ。そのことに別に驚きはしないが、そういう時間の流れに自分自身が身を置くようになったことには、正直言ってある種の感慨が湧いてくるのを感じるのである。
テラス席から道路を見渡していると、水族館に行くのか、泳ぎに行くのか、いずれにしても軽装の小学生が何人も通ったり、短い短パンから綺麗に伸びた美脚を惜しげもなくさらして闊歩する若い女性たちが目に入り、目の保養にもなる。
案外、人通りが多く、はて、と曜日を間違えそうだが、月曜日が休みという職業も結構思い当たるのである。
期限が切れていた水族館の年間パスポートを更新しがてら、大水槽を泳ぐ魚たちをちらっと見たが、天気の良い日の海辺は何と言っても外の方が気持ちがいい。
弁天橋を渡って江の島に渡り、久しぶりに島内をぐるっと一回りしてきたが、参道にはアジアからの外国人の姿が目立ち、耳に飛び込んでくる言語も耳慣れないものばかりである。
それにしても、外国からわざわざここを訪れる動機とは一体どんなものなのか。まさか江戸時代の名所絵図を見てきたわけもないだろうし…
7月に入ってすぐにアブラゼミの声が聞こえ始めたし、今朝は4時過ぎに東の空が明るくなり始めるとともに、ヒグラシの鳴き声も聞こえてきた。
セミに初鳴きというのがあるのかどうか。ともかく、ヒグラシは今年初めて耳にするのだ。
耳をそばだてると、草むらのあるところではキリギリスかなにかの虫の鳴く声も聞こえ始めている。
こういう真夏への準備の整い様は、自然界における梅雨明けのラブコールなのではないか?
私もこのラブコールには大いに賛同するところで、早々に梅雨が明け、真夏の太陽がカッと照りつける日々に早く身を置きたいと願っている。
妻と出掛ける前の午前9時から11時まで、湘南海岸のサイクリングコースを突っ走ってきたら、江ノ島が空中に浮かんでいた
134号沿いのレストランのベランダ
夏野菜と小海老、ゴルゴンゾーラと無花果の2種のピザ
8000匹のマイワシが群れをなす相模湾大水槽
江ノ島から片瀬東浜、七里ガ浜方面を見る
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