セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ、スズシロ…
これぞ春の七草♪と口ずさんでみても、冬至を目前にした今の時期には場違い感は否めない。
そのピント外れを承知であえて取り上げたのは他でもない、ふと目をやった散歩道の道端にピンクと白の小さな花が咲いているのに気付いたのが発端。
いつもの「へぇ~」「ほぉ~」が出て、近づいてみると花は一つどころではなく、道端の陽だまりのあちこちに咲いている。
低い山並みに沿って曲がりくねって続く、舗装もしていない道沿いの野辺に、一足飛びに春がやって来たかのようではないか…
冬至を前にして20℃を軽くを超えたりしていたものなぁ…
とは言え、昨日から気温はがくんと下がって、日中でも肌寒い。
これじゃぁいくらなんでも戸惑っているんじゃないか…?
いやっ、♫春は名のみの風の寒さや~と「早春賦」が歌うように、春に咲く花は少しばかりの寒さ冷たさなんかへっちゃらで、花自身は何とも思っちゃいないさ…とも思う。
ホトケノザと一緒に咲くタンポポや明るく透き通ったブルーの小花をたくさん咲かせるオオイヌノフグリを探したが、ちょっと見かけなかったところを見ると、フライングかホトケノザの特殊事情なのかもしれない。
ともあれ、この後どんな展開になるのか、ときどき様子を見てやろうという気になった。
ところで、写真に掲げた花の名はれっきとした「ホトケノザ」で間違いないが、春の七草のホトケノザとは別物だというから「えっ!?」「なぬっ!」である。
鞍馬天狗に倉田典膳という本名があるように(ちょっと例示が古いけど…)、七草のホトケノザの正体はキク科の「コオニタビラコ」だという。
ちなみにだが、写真のホトケノザは(ややこしくなってきた)シソ科だそうな。
それにしても、どちらもよくもまぁ図々しくホトケノザなどという、恐れ多い名を名乗っているものだが、写真のホトケノザは花の周りの蓮座に見立てたところからの発想で、七草のホトケノザはコオニタビラコの丸く広げた葉を蓮座に喩えての事のようである。
ついでながら、コオニタビラコのホトケノザが食用に向くことは七草メンバーであることから折り紙がついているが、写真のホトケノザはシソ科で苦みがあって美味しくないそうだ。
その代わり…と言ってはナンだが、花の基部に甘い蜜を蓄えているそうで、花を抜き取って基部をなめると甘い味がするんだそうな。
そう言えば、遠い昔むかし…小学生の頃、学校帰りによく道草を食いながらいろいろな花をむしっては味比べをしたような記憶がある。
きっとホトケノザもなめたに違いない。
味なんか覚えちゃいないけど…
辺り一面というほどではないが、ポツリポツリと咲いている
一輪だけ咲いているのとはちょっと違うところがミソですかな
ツボミが見える
たしかに蓮座になっている…
甘いんだぞぉ~♪