民放テレビ局の真昼間のワイドショーに「ウイルスってのはやっつけるものじゃなくて共存を考える存在だ」と言っている解剖学者の養老孟司センセイが出ていた。
ワイドショーのテーマはこの日もコロナ禍の事。
で、どんなことをコメントするのかと興味を持ってしばらく見ていたのだが、司会者が悲憤慷慨を軸に下世話でありふれた結論に誘導しようと繰り返し質問しても一向に同調せず、逆に困ったような顔をしてもごもごはっきりしない答え方をしているのを見ておかしくなってしまった。
どうしてセンセイはあんな俗っぽい番組の出演オファーを受けたんだろうという気持ちと、ああいう日本の代表的な知性の使い方にまったく頓着しない司会者の無教養ぶりが際立って、いささか腹も立った。
片や、コロナ禍の吹き荒れるイタリアの病院屋上で医療従事者への感謝と患者たちが再び音楽や芸術楽しめる日々が来るようにと祈りを込めたという日本人女性のバイオリン演奏の様子を見、その映像とともに流れる曲を聞いて、涙がこぼれそうになった。
夕日が沈みかける北イタリアのクレモナと言う古都の街並みを背景に、真っ赤なドレス姿の女性が夕日に照らされながらビバルディの「四季」やエンリオ・モリコーネの作品を奏でる。
その様子をフェースガードやマスクをしたままの医師や看護師が身じろぎもせずに屋上を見上げ、じっと聞き入るさまは鳥肌が立つ感じで、危うく涙がこぼれそうになった。
芸術は偉大だ。音楽ってのは偉大だ。ホントに力がある…。つくづくそう思った。
ドイツのメルケル首相はコロナ禍で仕事が途絶えた音楽家をはじめとする芸術家に最大限の支援を約束して励ます態度を示した。
日本では…などとは言わない。
はっきりしていることは、音楽や芸術が窮地に追い込まれ、途方に暮れる人々を如何に勇気づけてくれる存在であることか、と言うことだろう。
そのことが今回の屋上のバイオリン演奏からもはっきりと証明された。
芸術の力はすごいね。それを生み出す人間ってのもすごいや ♪
以上のベージュ系統のパンジーはサカタのタネの「みやび」という一つの品種のタネから発芽した苗が咲かせる花々 どんな花になるかはお楽しみ ♪
青と黄色はやはりサカタのタネの「モルフォ」
バラの空蝉とモルフォ