家を早めに出て圏央道経由で栃木は足利にある「足利学校」を見に行く
秋の抜ける青空を背景にした茅葺の建物が並ぶ佇まいはどこか現実味を曖昧にしたような雰囲気を醸している。まるで書き割りか何かを見る思いである
学校の創設は奈良時代の遺制説、平安時代の小野篁説、鎌倉時代の足利義兼説など諸説があるが、いずれにしても草深かったであろう関東平野の北の外れも近いこの地に学問をするための場所が誕生したことに驚かされる
いずれにせよ扁額に「学校」とだけ書かれた門をくぐる
さらに進んで「杏壇」を掲げた門の先に
孔子を祀った廟が建つ。足利のこの地の町名は昌平町である。東京の御茶ノ水に昌平坂があり、江戸幕府が坂に孔子生誕の地と同じ「昌平」の名を与え、ここに孔子廟を祀って開いた学問所を昌平坂学問所としたのも多分同じ趣旨である。日本人は孔子好きだったのだ
教室だった「方丈」や「庫裏」の建物が並ぶさまはなかなかの圧巻である
戦国時代に日本にやってきた宣教師のフランシスコ・ザビエルは「日本国中最も大にして、最も有名な板東の大学」とバチカンに報告しているという
足利学校の隣の寺に寄る
真言宗の寺だが「ばんなじ」とは難解である。読んでみろと言われても書いてみろと言われても歯が立たぬ
本堂は国宝だそうだが、それよりも何よりも境内の黄葉・紅葉の見事さに見惚れた
同じ関東でもわが街との彼我の差は比べようもない
よって言葉も出ないのだ
イチョウは目どおり9m、高さ30m。樹齢は550年と伝えられるそうだが、樹勢は弱ってきているという
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