吹き続けていた強風がようやく治まり、日の光が一層きらめきを増しても気温の低さは変わらない。
円覚寺発行の卓上カレンダーに書かれている横田南嶺管長揮毫の3月の言葉は「春風吹而花發」(しゅんぷうふいてはなひらく)だが、この言葉とは裏腹に東京のソメイヨシノの開花予測は24日までずれ込んだ。
当初は彼岸の入りより前の開花予報が出たりしていて、さすがに暖冬だなと思ったものだが、何のことは無い、24日は平年並みだというから、鳴り物入りの音が大きかっただけにヤレヤレな気分だ。
去年は21日に開花宣言が出されていたそうだから、今年の春の寒さが身に染むわけである。
そんなわけで、のんびりとペダルを漕ぎつつパトロールする楽しみというのは、これから先暖かくなるまで休んで、暖かで穏やかな空気に包まれるようになってから再開しようと心に決めた。
パトロールは苦行じゃないからね。
そんなわけで2足歩行による近所パトロールに切り替えた。
手始めはいつもの池と森の公園より面積の広い緑地まで足を延し、この緑地のヌシのような「大桜」の様子を確かめてきた。
空気は冷たくても、風が通り抜けない日だまりの林床付近では春の野草がいくつか花を咲かせ始めていて、春を構成する一員の自覚をもってしっかり準備を整えていることに頼もしさを感じつつ、尾根道歩きを楽しんだ。
ウグイスの歌声もこの寒さのためか、警戒気味な様子がありありで朗々とした調子というより低めで弱々しくもあるが、節回しなどはだいぶ上手になってきている。
これでホーホケキョの後に続くケキョケキョケキョ…という谷渡りの部分が高らかに聞こえるようになれば春は本番と言っていい。
あと少しの辛抱…
1月下旬ころから咲き始め、今が盛りのウグイスカグラ
小さな花のため、尾根道を歩いているとつい見過ごしてしまうくらい目立たない
しかし、咲いているのに気付き、近づいてみるとなかなかチャーミングな色と形をしている
秋になると赤い実をつけ、甘くておいしいそうだ
日だまりの道端にタチツボスミレを見つけた
奇麗な色で咲いている
カキドオシも咲き出していた
こちらはシックな焦げ茶色の衣装
アオキの花だった
ウラシマソウがあちこち顔を出している
ウラッシマタロウが釣り糸を垂らしているような花も咲いていた
表土を破って我も我もと顔を出し始めるウラシマソウの新芽
樹齢200年超といわれるオオシマザクラとヤマザクラを親に持つ「大桜」
まだ一輪も開いていなくて、開花はもう少し先になりそう
こちらは近所の池と森の公園のソメイヨシノのツボミ
だいぶ膨らんでいる
このツボミにはほんのりピンクが差し始めて…