湘南海岸自転車道の起点付近、昔の鵠沼プールで今のローラースケート場に隣接する砂山で群落が広がっているのを見つけた。
「ハマゴウ」と呼ばれる薄紫の花を咲かせる海浜植物で、去年までこの付近の砂山一面を覆って見事な景観を見せていたが、自転車道を管理する役所が自転車道の所々をふさぐように堆積した砂の山の除去作業に乗り出し、自転車は確かにスムーズに走れるようにはなったが、珍しい植物の群落まで根こそぎ撤去してしまい、ハマゴウは跡形無く消えてしまっていたのだ。
群落の在ったところを通るたびに「この辺りだったよなぁ~」と往時をしのびつつ、もしかしたら残骸でも残っていて復活してやしないかと淡い期待を寄せていたのだった。
それが…
至誠天に通ず…じゃないけれど、まったく植物の消えた砂山に少し緑色が復活してきているなぁとは思っていたのだが、よくよく目を凝らして見ると、遠目には地味な薄紫色の花がちらほら咲いているのが目に留まった。
まさかっ、と思って自転車を降りて砂山によじ登り花に近づいてみると間違いない、消えたはずのハマゴウの花である ♪
砂山の除去作業で元の場所からは移動させられたが、元来の砂浜に戻された砂の一部に残っていた根っこが生き残っていて、再び復活を遂げたらしい。
これまで砂山を覆いつくすように広がっていた群落からすれば、まだその規模は大きいとは言えないが、復活第一歩ということであるなら上出来ではないか。
まっ、いずれにしても砂山は台風や季節ごとの大風が吹く度に微妙に姿かたちを変えるから、不変という訳にはいかないが、しぶとく生き残っていたという一事をもって一安心というところ。
時折日が差すような、梅雨の中休みみたいな日だったが、2日続きで自転車パトロールにやってきたお陰で思わぬ発見をしたものだ。
それにしてもハマゴウという名前はなかなか覚えにくく、可憐な花の割にはとっつきにくい名前だなぁと思っていたが、かつて葉を線香の原料にしたことから「浜香」の名が生まれ、これが転訛したということらしい。
冬は枯れてしまうと思っていたら、落葉低木に分類されるそうで葉を落とすだけらしい。
それで冬の間は目に留まらなかったという訳だ。
花の咲くのは夏から初秋とされている。
そういえば例年、この花が浜辺に咲き出すと梅雨が明けてギンギラギンの盛夏がやって来ていたのだった。
もうすぐのはずだ ♪
それにしても4度目にもなる緊急事態宣言下のトーキョーで五輪を開くなんて…
ハマゴウの花
まだツボミばかりだからこれから花盛りを迎える ♪
背景に浮かぶ島は江ノ島