湘南海岸自転車道の辻堂海岸付近の砂浜に、赤茶色の錆にまみれたブルドーザーが放置され、異様な姿をさらしている。
キャタピラーは錆びまみれですでに半分以上砂に埋まり、先頭に取りつけられているブルドーザー特有の大きなバケツのようなシャベルのような器具は触るとボロボロ壊れそうなほど劣化が進んでいる。
運転台にはその面影はなく、メーターを覆っていた保護ガラスはかけらもなく、足元のべダル類は砂に深く埋まってその姿さえ定かではない。
エンジンが納められていたであろう後部にはホースのようなものが何本も絡みつき、痛々しい姿に拍車をかけている。
多分このエンジンルームの中はぎっしり砂が詰まっていることだろう。
白砂の続く広々した美しい砂浜の景観が台無しになっていると感じてのことだろうが、海岸管理者はこの「物体」をシートで覆い隠していた節があるが、それも長年の月日を反映してのことだろう、とっくに破け、残っているにはごく一部で、かえって場違いなみすぼらしさを掻き立てているに過ぎない。
これまで気がつかなかったのは、この部分も含めて自転車道沿いには飛砂を防止するための防砂柵が作られていて、これ幸いに目隠しをしてくれていたようである。
しかし、今年の夏前から辻堂海岸沿いの一部で防砂柵が大規模に壊れ、撤去されてしまったために自転車道を行き来する人々の目に直接触れることとなった。
漁業者が砂浜や漁港の一角に廃船や動かなくなった船を放置しようものなら、タダでは済ませないくせに、どういうことなのか…
ここは旧日本軍が敗走を始めたガダルカナル島じゃないんだ。
持ち主だってはっきりしているはずだし、仮に持ち主に撤去できない事情でもあれば、とりあえず業者に発注した(多分行政が砂浜整備のために発注したと思われる)行政が代わって何とかするのが発注者の責務と言うものだ。
ショーナンの白砂の海辺だぜ。
湘南海岸にこんな無粋で見苦しいものが似合うわけがない。
まさか、ここで土に返そうってんじゃあるまいな。
とんでもないことだ。
サッサと撤去して、元どおりの美しい砂浜の景観を取り戻すのは行政の責任だろっ!
自転車道のすぐ脇にこのような残骸が砂に埋もれかけている
シートで覆われていたらしいが… 右奥に見えている島影は伊豆大島
目と鼻の先に緑の江ノ島が浮かぶ
キャタピラーは砂に埋まり
運転台のレバーを引くとポロっと壊れそうだ 手すりは完全に錆びてこれも触れば折れそう
かろうじて原形をとどめてはいるが…
海側から見るとホースのようなものが垂れ下がり、キャタピラーは砂に埋もれてしまっている