素足の足裏には一歩一歩にその冷たさが伝わってきて痛いほどだった。
最後列に坐ったせいか、座っている背後、つまり背筋の辺りに空気の流れがあるようでスースーしてかなわない。
お陰で奥歯をぎゅっとかみしめていないと上下の歯がカタカタ鳴り出す始末で、横田南嶺管長の登場から1時間余り、最後のお経が終わるや否やトイレに駆け込んで用を足さなければいけないほど芯から冷えきってしまった。
午前8時からの円覚寺日曜坐禅会。
極寒の時期でもあり、極暖の下着を2枚重ねて着たところまでは良かったが、その上に羽織っていたものが頼りなかったようである。
地味な服装をと高校生が着るような濃紺のセーターを一番上に着たのだが、如何せん薄かったのだ。
下っ腹に2枚、腰に2枚簡易カイロを張り付けて行ったのだが、まったく暖かさを感じなかったのは気温の低さにカイロが負けたとしか言いようがない。
てんで役に立たなかったのだ。
ここ数日は少し春めいていたので油断していたのかもしれない。
しかし、やはり1年中で一番寒い時期なのだからナメちゃぁいけないのだ。
参加者もひるんだと見えて50人程度で普段の半分よりやや多い程度である。
ほぼ2時間、終わった後に外に出てもぶるぶる震えが止まらなかったので、陽だまりでしばらくじっと太陽の光を浴びて復活を待たなければならなかった。
入口の門の脇に並んでいる自動販売機でホットレモンを買って飲み、身体の外側と中から温めてようやく人心地が付いたのだ。、
境内の池はエアレーションをしているので氷こそ張っていなかったが、ハスの鉢などにはしっかりと氷が張っていたから北鎌倉の谷戸というところの寒さがしのばれる。
あと1、2回は同じような寒さを覚悟しなければなるまい。
そして一気に夕餉の食卓。
何とグリンピースご飯が出たのだ!
白く輝くお米と鮮やかな緑色の豆のコントラストの清々しさはそれこそ春、いや正確に言えば初夏のもので、ボクの大好物なのである。
グリンピースご飯だったら、おかずは何もなくてもおひつを空っぽにできる。
まだ2月だというのにグリンピースとはいささか唐突だが、鹿児島産だという。
スーパーで鹿児島フェアをやっていて、そこに並んでいたのだという。
今冬は鹿児島にも雪が積もったようだが、基本はやはり温かなのだろう。
お陰でボクの口にも一足早く初夏の味として届き、眼福と口福を一緒に味わわせてくれたのだ。
海の中は確実に春めいてきているようだし、これから大地の養分をたっぷり取り込んだ春を実感させる葉物が続々と出回ってくるだろう。
何が嬉しいって、自然がもたらしてくれる恵の豊かさこそ厳しい冬を乗り切った後のご褒美にふさわしい。
この先が実に楽しみだ。
円覚寺龍隠庵のこれはまた珍しい色合いの紅梅
初モノのグリンピースご飯!
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