平方録

空気運搬電車で一人静かに酒を飲む


姫の家に泊まりに行くための支度をしていると、9日以来の雪が降ってきた。
「雪が降るなんて一言も言ってなかったぞ !ったくアテにならない天気予報だ」と毒づきつつ、ザックを背負って駅までトボトボ歩く雪中行軍を想像してウンザリしていると、出かける頃には青空が見えてきて胸をなでおろす。

JRの「大人の休日倶楽部」というのに入っているので、切符が3割引きで買えるのだが、みどりの窓口に並んで買う必要がある。
以前、余裕を見ないで窓口に行ったら長蛇の列で目指す列車に乗り損ねたので、同じテツは踏むまいと少し早めに行ったのだ。すると窓口はガランとしていて、4日間有効の往復切符を瞬時に手に入れてしまった。
世の中は往々にしてこんなもので、余裕があるときは物事はスムースに進み、逆に焦っているようなときには決まって手間取ってアタフタするものなのだ。


時間に余裕ができたおかげで駅ナカでゆっくり買い物ができ、アルミ缶に入ってきっちり冷えた日本酒を二合と肴に分厚い身のいかにも脂が乗っていそうなサバの押し寿司を買うことができたのは2時間半の道中を考えると我ながら上出来でありました。


乗り込んだ直通電車のグリーン車の2階席に客の姿は一人もなく、思わず証拠写真をパチリ。
午後2時15分発という時間がなせる技なのだろうが、これじゃぁまるで“空気運搬電車”じゃないの!
おかげで一人静かに飲み食いができましたけどね。


多摩川を渡って東京へ。


久しぶりに「見る」新宿。横断歩道をたくさんの人が渡っていて、さすがは新宿ってところ。
もう何年も歩いていない。たまにこうやって湘南新宿ラインの車中から見るだけ。


これは利根川、坂東太郎。もう目的地は近い。


道中はずぅ〜っとこういう雲がどんより低く垂れ込めた空が続き、井月句集を読みながら一句ひねろうと思っていたのだが、真似られたのは酒だけで、世の中にはままにならないものがいくつも横たわっているのだなぁ〜とつくづく思うのでありました。オシマイ。
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