東京では雷鳴とともに初雪が舞い、大学ラグビー決勝戦を邪魔したり、随分と荒れ模様の天気になったらしいが、同じ南関東でも最南端の海辺の町では宵の口にパラッと雨粒が落ちてきた程度でそれもすぐ止み、日中は「朝のうちだけ」という晴れ予報が夕方まで続いた。
気温も予報では低いはずだったが、暖かな方に外れ、コタツのシミになって過ごすつもりだったのに急きょ庭に出られたお陰で、バラの世話はヤマ場を越えるほどはかどった。
残っている作業は7種類のつるバラに寒肥をくべるだけ。せいぜい1時間もあれば終わるところまで来た♪
寒肥をやりながらバラに話しかけ、「ゆっくり養生して、初夏にはきれいな花をたくさん頼むよ」と促すだけだ。
多分午前中に終わるだろうから、昼ごはんの時に赤ワインか日本酒で滞りなくバラの世話が澄んだことを寿ごうと思う♪
そのバラの世話に精出していると、どこからか「こんにちは」という声が聞こえた。
顔を上げて門の方を見たが誰もいない。
張りのある若々しい声に聞こえたが、誰だろう…とキョロキョロしていると、東側の一段低い位置に建つ隣家の息子だった。
こちらを見上げながらニコニコしている。
ピッカピカに磨き上げられた若者に人気のスクーターで出かけるところらしく、ボクの姿が目に入ったので声をかけてくれたらしい。
ヘルメットをかぶる前だったので、髪の毛を明るい金髪に染めているのがよく目立った。
今時の若者に見える。
彼との接点と言えば6、7年前の中学時代にサッカー部の部活に打ち込んでいた時代に遡る。
練習熱心で、昼間はもちろん、夜中までわが家との境の大谷石の壁を相手にボールを蹴っていて、時々我が家に飛び込んだボールを回収に来て律義にピンポンを鳴らすものだから、勝手に入っていいよという会話をした程度だ。
もう一度は、散歩道を歩いていたとき両親と彼の3人とすれ違い、挨拶を交わした際にお母さんが「すみません、夜中までボールをぶつけて」と言うものだから、ボクも高校時代はサッカー部で部活に打ち込んだことなどを伝え、その息子とポジションはどことか、50mは何秒で走るとか、色々聞いたりして激励したことがあったが、それ以来だと思う。
50歳は年の差があると思うのだが、ゆえに、彼から見たらボクは相当なジジイのはずで、それがいくら隣同士とは言え、彼の方から声をかけてくれたのが何だかとても嬉しく、すごく明るい気分になった。
金髪なのでまさかとは思ったが「サッカーやってるの?」と聞くと、「ハイッ♪」という明るい返事が返ってきて、社会人のクラブチームに入っているのだという。
いろいろ「へぇ~」「ほぉ~」の世界である。
いい若者に成長したようじゃないの♪
近所の寺の庭園