平方録

ゴォ~ル キンキジャクヤクゴォ~ォ~~ル

溜飲を下げる――とはまさにこのことを言うのだナ。

何しろ、これまでサッカーW杯の予選で一度も勝てなかったオーストラリアを全く寄せ付けず2-0で完封勝利して来年のロシア大会の出場を決めたのだ。
前半終了間際、浅野が相手ゴール前に飛び出してノーマークでゴールに蹴り込んだ時は一瞬の出来事で、てっきりオフサイドかと思った。
主審の笛も鳴らず日本選手が浅野に駆け寄る姿を見てようやくゴールが認められたと思ったくらいである。
リプレイで見たら確かに相手バックスの背後からスルスルッと抜け出しているところが映っていたのを自分の目でも確かめたが、そのくらい相手だってお手上げの得点だったのだ。

そして後半の井手口。
先発メンバーを見た時はイデグチ フーだったのだ。代表じゃぁ新顔だろ。それが試合開始早々から試合終了まで、まるで疲れというものを知らないかのように駆けずり回っていたのだ。
それが後半も残り10分を切って、1点差で逃げ切れるかどうか冷や冷やしながら見ていたところでのミドルシュートが決まったのだから、もうキンキジャクヤクだったのだ。
よし、ロシアに行ける!
これはボクだけじゃぁない。このゴールの瞬間、試合はまだ終わっていなかったのだが、日本中のサッカーファンは等しくキンキジャクヤクしたんである。

2人のゴールは相手の陣形を見事に切り裂いて得点したもので正真正銘のファインゴールである。
いやそれだけじゃぁ何か物足りないなぁ。それよりももっと見事な得点だったのだ。
そう! ビューフル!「ビューティフルゴール」と呼ぼうじゃないの。よし! 決まりだ。
それに加えてもう一つ。イデグチのゴールには「キンキジャクヤクゴール」というこれまでの代表選手のだれもが獲得したことのなかった前代未聞、空前絶後の形容を与えたいと思う。
この一撃がオージー野郎どもの息の根を止めたんである。

ヤツは一見すると年取った植木職人みたいな風貌で半纏に植木ばさみでも持たせれば似合いそうだが、何のことはないまだ弱冠21歳だという。
インタビュー慣れもしていないようで、語る言葉もたどたどしくて初々しい。そこがまたイイのだ。ガンバ大阪の選手だって。
頼もしいのが出てきたものである。

夏は見送っちゃったし、これで試合に負けようものならロシア行きの前途も真っ暗になっちゃうなぁ、そういう結果だったらボクも暗くどん底に沈んじゃうんだろうなぁ、そうなったら立て直しが面倒んだなぁなどと思っていたんである。
かつてのサッカー小僧の心配は杞憂で済んだのだ。

こういう勝ち方ができるようになったのだ。とにかくよかった。興奮したし、感動した。
まだ余韻が残っているぜ。















台風15号の余波が打ち付ける江ノ島の湘南港防波堤=31日11:30
ころ
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