例年だと終戦記念日を過ぎたころに種蒔きしてきたパンジー・ビオラだが、今年の猛暑にはさすがにたじろぐしかなく、ひと月以上ずらして9月下旬に蒔いた。
暑さの盛りに種蒔きしていたのは、一足早く晩秋から咲かせようという魂胆があったのと、真夏の種蒔きは難しいと言われてきたことに対して「難しいならあえて挑戦してやろうじゃないの」という意地みたいな感情があったからだと思う。
それを曲げて種蒔きをずらしたのは、春に咲いてくれればいいや…と思い直したためだが、遅い種蒔きにしては発芽も生育も順調で、既にたくさんの花を咲かせているのだから、何のことは無い、無理して真夏に蒔く必要なんかなかったのだ。
真夏の種蒔きは、ピートバンという種蒔き用のトレーを使うのだが、風通しの良い場所で、直射日光を避けながら発芽を待つ必要があるため、木陰を選び、なおかつ黒の寒冷紗をかぶせて光量を調節したりしなければならず、結構手間のかかるものだった。
9月も下旬とは言え暑さは残っていたので、今回も寒冷紗は使ったが、大雑把にやればよく、気を遣ったのは用土が乾かないように注意を払っただけ。
後は基本的には放りっぱなしだった。
首尾よく発芽したものはポットに移し替えて育苗するのだが、移植の際に苗を傷めたり、後の管理が悪かったりで、何本かは必ず枯らしてしまうのだが、今回はひとつも枯らすことなく成長させたのだから歩留まりは100%で、これにはいささか驚かされた。
今までの苦労は何だったんだ、と思う。
粋がって不向きの真夏にわざわざタネを蒔き、手間暇かけていたのは単なる「独りよがり」だったってことじゃないか…
まぁ、それが分かっただけでも良しとするか…
今回の件はいわば目からうろこが剥がれ落ちたようなもので、良かれと思って続けている事でも、改めて見直してみるってことがいかに大事かってことを示唆しているように思える。
思考そのものが柔軟さを欠き、脳ミソがカチンカチンに硬くなってしまっているだろうから、見直し自体が簡単じゃないだろうが、ならばなおのことだ。
タキイ種苗のカタログで見つけて今年初めて蒔いたビオラの「あんみつももか」
バラは寒いと色が濃く出るが、このビオラは春になってもこの色なのか…楽しみ♪