定期的に胃と大腸のカメラ検査をしてもらっているかかりつけのクリニックに薬をもらいに行ってびっくりした。
土曜日は午前中しか診察していないので多少は混み合っているだろうなとは思っていたのだが、ガラスの自動ドアが開いた途端、普段は3、4人しかいない待合室に見たこともないような数の人が待っていて、診察を待つ間に腰かけて待つ椅子を探すのに苦労するほどだった。
ボクは何とか空きスペースを見つけてベンチの端に座らせてもらったが、その後も「続々」と患者はやって来て、ついには座る場所も無くなってしまい、立ったまま待っている人たちが出る始末だった。
門前市を成すような賑わいとはこのことで、ボクのかかりつけ医はいつからここまでの評判をとるような名医になったのかと、おおいに訝んだのだが、理由はすぐに判明する。
受付の女性が新しい患者がやってくるたびに、何やら印刷された説明書きと現在の体調などを記入する用紙を手渡すと同時に体温計を渡しているのを見て、納得が行った。
つまり、インフルエンザの予防注射にやってきた勤め人や学生たちだったのだ。
このクリニックで予防注射を受ける場合、予約は必要ないので思いついた人が次から次にやって来ているのだという。
前日のニュースで国が早めの予防接種を受けることを推奨したため、一夜明けた朝から来院者が一気に増えたと言っていた。
日本人という民族には確かにこういうところがあるんですな。
何かの拍子に猫も杓子も雪崩を打って同じ行動を取りたがる。そうでなければ世も末、世界は終わってしまうとでも思っているのか、何か強迫観念にかられでもしているかのように我も我もと後に続く。
小学校に入って最初に倣う「右へ倣え」「前に倣え」は死ぬまで体に染みついているってわけなのだ。
お陰で切れかけた薬の処方箋をもらいに来ただけのボクは1時間近くも待たされてしまった。
おまけに、こんなことはボクには稀なのだが、午後は横浜駅前の眼科クリニックに行ってきた。
詳しいきさつは省くが、そこに月に1度だけ勤務している女医さんがいて、3か月に1度診てもらっているのだが、この日はあいにく休診となってしまった。
事前に休診の連絡はあったのだが、服用している薬が切れかけているので処方だけしてもらいに出かけてのだ。
ここの混み方がまたすごかった。
午前中に行ったクリニックの待合室とは比べ物にならない、大きなビルの一角を占める総合病院の待合室のようなだだっ広い待合室に、老若男女の患者が椅子という椅子を埋め尽くしている。
この分じゃどれくらい待たされるのかと、いったんは途方にくれたが、受付で「処方箋だけもらえればいいんです」と念を押したカイがあったというべきか、直ぐに名前を呼ばれ、簡単な検査を受けただけで目的を達したのでホッとした。
あのままじっと順番を待つだけだったら、多分、解放されるのは夕方になっていただろう。
それにしても何だろうねぇ、あの眼科の混み方は。
目のヤマイを抱えている人があんなにも大勢いるなんて…
総合病院の眼科も混んでいるし、街中のクリニックにおいておや。
インフルエンザの予防注射に殺到し、眼科の待合室のベンチを埋め尽くす日本人って、ボクには正直言ってオドロキの連続でありました。
わがニッポン民族に繁栄あれ !
写真は見出し画像を含めて湘南・片瀬漁港