「そう言われればラッセル車なんて見たことないなぁ…」
「あんなもの今でも使ってるんだろうか…」
「考えたことも無かったな…」
「そもそも線路に雪が積もったら運休しちゃうんじゃないか?」
雪国・山形の友人と電話で話しをしていて、今年は雪が少なく家の周りの除雪作業の回数も減って大助かりだなどと意外なことを言う。
そんなやり取りをしていて急に思いついたのが線路の除排雪。
つい先日、JR京都線や琵琶湖線でわずかばかり積もった雪で満員電車が動けなくなり、長時間にわたって乗客を放りっぱなしにしてJR西日本に非難が集中したが、雪国ではどうしているのか気になったのだ。
それと線路に積もった雪を豪快に蹴散らしながら走って除雪するラッセル車や扇風機の親玉のような回転する羽根で雪を遠くに吹き飛ばすロータリー車が懐かしくて、今でも見られるなら見たいものだと思っていた。
そうしたら、こんな答えが返ってきたのだった。
友人宅は道路を挟んで目の前を奥羽本線が走っていて、山形新幹線が乗り入れている。
その友人がラッセル車なんて見たことも無い、と言うのだから間違いない。
しかし、福島から分岐する奥羽本線は板谷峠付近やかつて芭蕉が遊んだ大石田付近は山形県内でも雪の深い地域である。
そんな豪雪地帯を走りながらラッセル車の世話にならないなんて…
答を先に言えばラッセル車やロータリー車が絶滅したわけではなく、北海道や東北の一部では現在も活躍中だそうだが、JR東日本管内で言えば東北、奥羽の各線や盛岡~秋田間の新幹線が走る路線は線路そのものに融雪のための様々な装置を取り付けて積もらないようにしているんだそうな。
それに何より、従来のラッセル車やロータリー車が走れるのは軌道幅の狭い在来線の線路だけで、新幹線が走る奥羽本線などの幅の広い軌道ではそもそも使えないのである。
まさに友人が首をかしげる通り「見たことも無ければ考えたことも無い」のは自然なことだったのだ。
たったそれだけのことだが、答えが分かってしまうと「なぁ~んだ、そうだったのか」と納得も出来るが、やっぱり昭和は遠くなっているってことなんだろうな。
実は雪の降らない季節に引き込み線の奥でじっとしているラッセル車を見たことはあるが、実際に雪を蹴散らして走るところを映像以外では見たことがない。
1度見てみたいものだが、運良く雪が積もるような空模様の時に出かけて行かなければ見られないだろうし…
そういうタイミングが合って実際にラッセル車やロータリー車が出動したとして、その現場に出くわせるか…
そもそもどんな場所で待っていれば見られるのか…はたしてその時刻は?…
どこぞの旅行会社でツアーでも組まないかね。
見出し写真ともにネット写真から拝借しました(2枚ともラッセル車)