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平方録

呆れちまって開いた口が…

熊「ふがふがふが ふんがふがふが あわわわわ…」
八「おうっ 熊さん、一体どうしちまったんでぇ ? しっかりしろ !」
熊「うう… ふんがふがふが…」
八「だからどうしちまったって言うんだよ、ふんがふがばかりじゃわからねぇやい」
熊「あうあう…」
八「なにぃ ? アゴが外れたぁ !」
ご隠居「おや、これは熊さんに八っあん。2人そろって何してるんです ? えっ、熊さんが呆れて開けた口を締めようとしたけどあまりに大きく開け過ぎたんで閉まらなくなっただと ? それは困ったのう、どれどれ…えいっ !」
熊「イテテテテッ…ヒデェや ご隠居、いきなり。でもやっとアゴが元に戻って普通に話ができるようになりました。やれやれ、ありがとうごぜぇやす」
ご隠居「おやすい御用じゃ。しかし何だっていい年をしてアゴなんぞ外しおったのじゃ。馬鹿笑いでもしておったか ?」

熊「違いますよぉ ! あの…」
ご隠居、八「はっきりしろ」
熊「へぇ、すいやせん。あの実は…」
ご隠居、八「えぇぃっ、じれったい !」
熊「実は…日本学術会議が新しいメンバー105人を推薦したら、菅首相はこれまでの歴代首相と違って、政府の政策に反対意見を表明したことのある6人を任命しないで除外しちまったってぇニュースを聞いてですねぇ、あまりのケツの穴の小ささ、いやもとい、料簡のあまりの狭さに呆れたんでごぜえやすよ。それで思わず開けた口が呆れて大きく開けすぎちまったんですな。そうしたら…」
ご隠居「呆れ果てて開いた口がふさがらなくなった…か」
熊「ヘイ、そのとおりでごぜぇやす」

八「そうだったのかい熊さん。イヤなに俺もね、この景色は前にも見た気がしてね。ほれ、政策に反対意見や慎重意見を言った官僚が重責からまったくの閑職に左遷されちまうって人事がいくつも話題になった…それで霞が関の官僚どもがビビっちまって、だらしなくイエスマンに成り下がってるって。学者先生たちの学術会議にも同じことやるのかよって頭に来てたところよ」
ご隠居「ふむふむ。2人ともさすがワシの長屋の店子だけのことはあるな。見るべきところをよく見ておる。感心じゃぞ。2人の言うとおりじゃ。自分に反対意見をいう者を遠ざけるということは、誰も異なった意見を言わなくなるってことじゃ。ということは仮に間違っていることでも誰も咎めないでそのまま実行に移されるということじゃ。そうなったら国はどうなっていくか…。末恐ろしいということが分からんのかのう」

熊「この傾向は以前のアベなんちゃらの時からですよね」
ご隠居「その通りじゃ」
八「アベなんちゃら政権を継承するって新首相のガースは言ってましたが、こういう料簡の狭いところまで継続たぁ情けねぇ話ですねぇ。やだやだ」
ご隠居「その通りじゃ。権力者は権力行使に慎みを持って当たらねばイカン。それが権力を握ったもののタシナミというものなのじゃ。なんでも思い通りに出来る、やってもいい、というものではないんじゃよ。それと権力行使に対するオソレ(恐れ)じゃな。少なくとも歴代首相はこのタシナミとオソレというものを持ちあわせておった。批判にはキチンと耳を傾けたものじゃ。それが国を預かるということでもあるんじゃよ」
熊、八「それに比べて、前と今の2人は大違いってことですね」
ご隠居「多少の頭の悪いのは仕方ないとして、こうも料簡が狭いとなぁ…国の行く末が心配じゃ」
熊、八「弱りましたねぇ…」

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