桜の古木の脇に仲良く並んで立っている郵便ポストと電話ボックス。
かつては街の辻々に立っていた電話ボックスだが、都会から消え去って久しい。
それも当たり前で、周囲のひんしゅく顔さえ気にならなければ、今や電車やバスの中だってポケットから取り出した電話機を使えば世界のどこにでも通話できる時代になった。
わざわざ小銭を用意して公衆電話を探して「さくら、元気か?」…なんてのはフーテンの寅さんぐらいのもんだろう。
日本国中、郵便ポストと言えばベレー帽をかぶったような丸い円筒形で全身を赤く塗られたものだったが、いつの間にか姿を消しつつある。
中学生の時、恋焦がれる気持ちをつづった手紙を投函しようかしまいかさんざ迷った挙句にアノ開いた口から差し入れたその直後、「ポトリ」という音にドキリとして、その途端に止めとけばよかったと後悔したこと…
その中学生ももはや「階前梧葉已秋聲」。
大都会ではこういうポストはもはや絶滅してしまったと言ってよく、四角四面の箱が1本足で突っ立つ姿に変わってしまった。
色だけは昔のままだが…
その絶滅危惧種の電話ボックスと郵便ポストがわが家の近くでは未だに健在で、あちこちに残っている。
見出し写真はバス停のあるロータリーの光景だが、わが家からほんの70mのところにも電話ボックスがあって、わが家に曲がる目印になっている。
労働市場から撤退する前、仕事で深夜にタクシーで帰宅したりした時、運転手さんに道を指示する際「あの電話ボックスを左に曲がって」などと言うと、「へぇ~、珍しいですねぇ~、まだ電話ボックスがあるんですねぇ~!」と「まだ」に力を入れた口調で感心されたことが何度かある。
ボク自身は丸い昔ながらのポストに愛着を持っている人間なのだが、この丸型が駆逐されているのは集配の係員の手間を考えての事らしく、投かんされた郵便物の取り出しに手間がかかる構造で、効率が良くないということで四角四面の一本足野郎に変わっているらしいのだ。
ところがわが鎌倉では未だに到るところに丸型ポストが残されている。
つまり丸型ポストが似合う街?ということらしいのだが、著しく評判のよろしくない日本郵便だがポストに関しては二刀流で柔軟に対処しているということのようである。
まぁ、これを残す美意識が残っているというところは良しとしておこう。
電話ボックスは地震などの緊急災害時に家電や携帯電話と違って優先的に回線が確保されることになっているから、これは重要かつ貴重な役目を担った装置と言える。
銀座のど真ん中や澁谷・新宿と言った大都会の繁華街には電話ボックスなんてないんだから…
どおよ、羨ましいだろぉ~。
しかも、今や絶滅危惧種になってしまった2つが仲良く並んで立ってるんだぜ…♪
追記 4時過ぎに起きて温度計をベランダに出しておいたのを忘れていた。
6時半過ぎに慌てて取り込んだら何と「-0.9」℃!
師走の南関東で氷点下1度にまで下がるなんて…