ベランダのプランターで育てているナスが今、たわわに実をつけている。
少し水不足気味だったので、様子を見ようとベランダに出たら、何か大きな昆虫が飛んできて株の周りを飛び始めた。
最初は大きいのでホウジャクの仲間かと思って気にせず、ナスの実の張り具合を確かめようと手を伸ばした時、ちらっと濃い黄色の塊が目に入った。
⁉…ホウジャクの体の色とは明らかに違う。その鮮烈な色合いは思わず手を引っ込めたくなるような強烈さと言っていい。
何だこいつ!
たまたま葉っぱの上にとまったので、恐る恐る見てみると、やはりホウジャクではなくてハチである。
ホウジャクと間違えるくらいだから相当デカい!
ボクの記憶の中に、今まで出会ったハチの中に、これほど大きなハチは存在しない。
それくらい大きい。
そう思った瞬間、こいつはスズメバチに違いないという危険を促す注意信号が点滅し、慌てて家の中に引っ込んだ。
ガラス越しに観察してみると、確かに大きな黄色い頭を持ち、胸が真っ黒で、丸々と太った腹には黄色と黒の縞模様が鮮やかで、体調4㎝はあろうかという体とともに、スズメバチであることを確信する。
ネットで調べると、スズメバチの中でも最も凶暴で、最大のオオスズメバチという種類らしい。
もう二昔以上前になるが、北側のツゲの生垣の中に徳利型の巣を作ったスズメバチがいて、これは市役所に頼んで撤去してもらったことがあった。
あの時のスズメバチはもう一回りも二回りも小粒だったと記憶しているが、今度見かけたやつは驚くほど大きい。
あんな大きなハチに顔の周りでもしつこく飛び回れたら…と思うとぞっとする。
ましてや刺されでもしたら…
それにしてもいったいどこからやってきたのか…
見かけたのは今回が初めてだから、近場ではないはず。
周りは住宅地だし、地面を掘って巣を作るというオオスズメバチが巣を作るような場所があるとも思えない。
ただ、住宅を取り囲むように周囲には低い山が連なっているから、もしかするとその辺りから飛来したのかもしれない。
怖いので、じっと観察していると、やがてナスの葉から飛び立ったハチは空高く舞い上がり、山の方へと飛び去ったから、どうやら推測は当たっているかもしれない。
いずれにしても、あんな連中にしょっちゅう飛び回られたんでは薄気味悪いし、おちおちベランダにも出られなくなる。
徒歩でパトロールするときは山の中の道を好んで歩くので、ここはひとつ警戒を怠らないようにしなければ。
クワバラクワバラ。
こいつが飛んできてナスの葉の表面をなめていた
腹の部分はきれいに塗り分けられた縞模様になっている
真っ黄色の頭部がとてもデカイ
5:29の東の空
真夏日になるそうだ