名前からして仰々しいが、身近なところで言えば湘南海岸の引地川河口からクロマツの防砂林の外側の波打ち際ぎりぎりを走るサイクリングコースのことで、相模川を渡って大磯の旧吉田茂邸まで伸びている。
湘南海岸部分は波打ち際だが、大磯町役場の裏からは波打ち際に作られた西湘バイパスのすぐ脇の内陸側の一段高い位置に作られていて、全コースは潮騒を聞きながらペダルを漕ぐことになる。
海を眺めながら風を切り、オゾンのたっぷり含まれた空気を胸いっぱい吸い続けると、身体のあらゆる部分に張り巡らされた毛細血管の極小の隅々まで酸素が行き渡るようで、実に気持ちがいい。
嫌なことはケロッと忘れることができるし、何はともあれ体内にくすぶった老廃物を新鮮な血の流れで浄化している実感を得ることができるというものなのだ。
海沿いの自転車道が素晴らしいのは、このコース上から富士山の優雅な姿やそれに連なる箱根や丹沢の山々が相模湾の青さに映えて美しいというだけではない。
時刻によって、季節によって、あるいは風の強弱や雲の現れ方一つによっても見える景色の表情がはっきりと、あるいは微妙に違っていて飽きさせないのだ。
第一、目の網膜に写る色彩の数々が一度だって、一つだって同じだったことはないし、中にはあまり好みではない色合いが現れることがあったにせよ、それだってここの景色の一部なのだと思えば、それはそれで「今日の色」なのだと納得もする。
2日間、冷たい雨とどんよりした空に閉じ込められ、コンチクショウと思っていたら昨日は朝からよく晴れ上がった。
で、スワっとという思いで自転車にまたがって家を飛び出したのはいいが、気温を読み違えていて明るい陽射しとは裏腹に、空気は今冬一番くらいに低く、一生懸命漕いでも一向に体は暖まらない。
それどころか、風を巻き起こして走るのだから身体は冷える一方で、ボクがいくら発電量を増やそうと必死に漕いだって外気の冷たさにすぐ冷やされてしまう体たらくだったのだ。
1時間漕いでもこの有り様で、仕方なくUターンを余儀なくされたのだが、都合2時間、身体は冷えに冷えてしまった。
こんな読み違いは初めてで、いよいよボケの始まりかしらん。
ま、畢竟、真冬の自転車はそんなものと思うしかないのだろう。
着ぶくれて乗るようでは精神の解放などは望むべくもないから、よほどの好条件が現れない限り春を待つしかないのかもしれない。
ところで、この自転車道が一部で延伸工事が始まったようである。
とりあえず現在行く手を阻んでいる葛川という小さな川に橋が架かるという。
そして旧吉田邸裏で終わっていた道をJR二宮駅前あたりまで2・7キロ延伸するというのだ。
ホームページで公開されている計画図を見ると、大磯ロングビーチ横の畑の広がるところを突っ切って大磯警察のところから国道1号に出るらしい。
畑の中の道は現在小田原方面に行くときにボクも利用しているのんびりとした農道で、そこを利用するのは賛成である。
しかし、その後は国道1号をどうぞというのはいかがなものか?
この自転車道は車と並走しないところが最大のメリットなのに…
国道を走るならちゃんと脇に自転車専用レーンなりセパレートした道の整備はしてくれるんだろうねぇ。頼むぜ。
ところで、この仰々しい自転車道は国土交通省の主管で、千葉県銚子市から九十九里浜を通って東京湾口の金谷からフェリーで神奈川県の久里浜に渡り、そこから太平洋岸を紀伊半島の和歌山市までの約1400キロで計画されている。
多分海岸線がメーンルートになるはずで、おそらく伊豆半島もぐるっと石廊崎まで東海岸を下り、そこから富士山めがけて駿河湾を北上するコースと思われる。
いつ完成するのか、どこにも書かれていないが、80歳までには全通しっこないだろうが、せめて90歳までなら、なんとかしたいもんだね。
もちろん全コース制覇ですよ、そう90歳で! まっかせなさい ♪
一刻も早く完成させてもらいたいものだ。
茅ケ崎付近の太平洋岸自転車道
コース上からの眺め
大磯町役場裏手の西湘バイパスインター脇に「太平洋岸自転車道」の案内表示が
西湘バイパスわきに設置された自転車道
この辺りの農道を利用して延伸されるのだろう=大磯ロングビーチわき付近
コメント一覧
heihoroku
ひろ
最新の画像もっと見る
最近の「随筆」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
人気記事